それって必要?犬に『お手』『お座り』のしつけ方

それって必要?犬に『お手』『お座り』のしつけ方

犬のしつけといったら真っ先になにを思い付きますか?恐らく、ほとんどの方が「お手」や「お座り」などを想像されるのではないでしょうか?人間と犬とが快適に生活していく上で、しつけというものはとても重要な意味を持つものです。

そして何より、飼い主と犬とのコミュニケーション・信頼関係を図る上でも欠かせないものでもあります。

『しつけ』と『芸』は違います

『しつけ』と『芸』は違います

ここで注意していただきたいことがあります。それは『しつけ』と『芸(トリック)』の違いです。例えば、先に挙げた『お手』と『お座り』の例で言えば、前者は明らかに『芸』の部類に入りますよね?お座りであれば、人の多い場所などに出掛けた際に犬が好き勝手な行動をして他人に迷惑をかけることのないようにする『しつけ』ということになります。

しかし、お手の場合は、それ自体が犬の行動を制御したりする目的ではありませんから、『しつけ』ではなく、『芸』ということになります。

『お手』…本当に必要なもの?

『お手』の必要性・・・本当に必要なもの?

では、犬を飼育するうえで大切なのは、『しつけ』でしょうか? それとも『芸』でしょうか?と、問われれば、もちろん答えは『しつけ』ですよね。

しつけというのは、様々なシーンで役立ちますし、飼い主と犬の双方が気持ちよく生活していく上で欠かせないことです。もちろん、犬は言葉を話せませんし、人間社会がどのようなものなのかを理解しているわけではありません。

そのため、最低限のルールを犬に教えてあげること、それがいわゆるしつけというものです。しつけをしていくことで他人に迷惑をかけることもなく、それに伴って犬自身の危険を回避することができるというわけなのです。

したがって、『お手』は絶対に必要なものではないということになりますし、そもそも『お手』そのものの必要性をまったく感じていない愛犬家も多くいます。『しつけ』だと言って犬に無理矢理お手を教え込んだところで、犬にとってはストレス以外の何物でもないわけですね。

楽しみながらコミュニケーションを図るという意味では『お手』は有効なツール

楽しみながらコミュニケーションを図るという意味では『お手』は有効なツールです

以上のように、『お手』は必ずしも必要なものではありません。しつけの定義から言えば、むしろ覚えさせなくてもいいものです。ですが、愛犬と一緒に楽しみながら、しつけの基礎を学ぶという意味では有効な方法であるとも言えるかもしれませんね。

無理矢理教え込むのではなく、一緒に楽しみながらしつけするということを飼い主自身も覚えるためということです。つまり、愛犬のしつけをするために”飼い主がクリアしておくべき手頃な課題”が、『お手』という一芸だというわけです。

「しつけというのは楽しみながら時間をかけて教えていくもの」ということを飼い主が知るための勉強になることは間違いないでしょう。

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しつけのプロローグ!『お手』を覚えさせるには?

しつけのプロローグ!『お手』を覚えさせるには?

『お手』は、言い換えればしつけのプロローグのようなものです。しつけの仕方を覚えていく初歩中の初歩という感じですね。では『お手』を覚えさせるにはどうしたらいいのか解説していいましょう。

『お手』の動作は、飼い主が差し出した手に犬の前足を乗せるという動作になります。要は、そうなるようなきっかけを与えてあげればいいわけですね。

そこで活用できるのがおやつです。

  1. 手を握っておやつを隠す
  2. おやつ欲しさに犬が前足を乗せてきたらすかさずおやつを与えて褒める
  3. この時、犬が前足を乗せたタイミングで「お手」という言葉も用いる
  4. 慣れてきたら手のひらを広げた状態で練習してみる
  5. 犬の前足を優しく持ちながら、「お手」と言いながら覚えさせるのも有効
  6. できたときは必ずおやつと褒めることを忘れずに

かなりおおまかですが、こうしたことを根気強く繰り返すことで、『お手』を覚えさせることができます。

大事なのは、できないからといって怒ったりしてはいけないということです。楽しみながらやるのがポイントなので、楽しみながらできなくなってしまった時点でやめるのが正解です。短時間で覚えさせるのではなく、あくまでもゆっくりと楽しみながら♪ というのが基本です。

しつけの第一歩!お座りを覚えさせるには?

『お手』の練習でしつけをすることのポイントを覚えたら、次はいよいよしつけの第一段階です。しつけの第一段階といえば、やはりお座りですね。

犬のしつけには『待て』などもありますが、犬が急に動き出したりしてしまうという突発的な行動を抑えるという意味では、まずは『待て』よりも『お座り』を覚えさせておいた方がいいでしょう。

『お座り』は、『お手』とは違って、当然ながらやや難易度が高くなります。基本的には『お手』と同じ要領で覚えさせますが、なかなかできないからといって怒ったりするのは絶対にNGです。

『お座り』の基本は、座るという行動ですから、「座ればご褒美をもらえる!」ということを覚えさせればOKということになります。

  1. おやつなどを持ったまま犬の鼻先から徐々に上へ上げていく
  2. そうすると自然に『お座り』の体勢になる
  3. その時点で一旦褒める
  4. 再び同じ動作を繰り返し、この時「お座り」という言葉を用いる
  5. できたら褒める
  6. 何度も繰り返してみる

ざっくりとですが、上記のような感じで覚えさせていきます。この場合も、楽しみながら行うことを忘れてはいけません。また、お座りを覚えさせる場合は、必ず統一した言葉を使うようにしてください。

例えば、飼い主によっては、「座れ」という言葉を用いますし、「シット」という言葉を用いる人もいます。指示の言葉は飼い主の言いやすい言葉で構いませんが、言葉を統一しなければ犬はどうしていいのか分からなくなってしまいます。

最初に「お座り!」で覚えさせたのなら、指示は必ずその言葉を使うようにしましょう。

まとめ

犬が、しつけで集中できる時間はせいぜい15分程度といったところです。それ以上続けても、犬にとっては大きなストレスとなってしまいます。

しつけというのは、決して苦痛とイコールではありません。スパルタ的な手法でしつけを行う人もいますが、ハッキリ言ってそれはしつけではなく体罰ですね。しつけというのは信頼関係が成り立ってこそ意味があるものです。

体罰によって力で抑えつけることは、ほぼ虐待と同義です。しつけは決して言うことを聞かせるためのものではないという自覚も必要です。言うことを聞かせるのではなく、『教え・学ばせる』のがしつけです。

そうしたこともしっかりと認識しつつ、愛情を持って楽しくしつけしていくことを覚えていきましょう。

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