愛犬との生活は楽しいもの。パートナーとして様々な思い出を作っていくことができますし、一緒に楽しい遊びをしながら思い出を共有することだってできますよね。
そこで飼い主として考えるのが、「いかにして愛犬を楽しく過ごさせてあげられるか?」といことです。愛犬が楽しく過ごせることとなれば、一緒に遊んだりすることも連想してしまいますが、実は人間側の「遊ぶ」という認識と、犬側の「遊ぶ」という認識が異なっていることもあるのです。
また、犬のおもちゃと聞くと、どのようなイメージを抱きますか?『おもちゃ』という言葉から、「単に犬が遊ぶためのモノ」といった印象が強いのではないでしょうか?
しかし、実はおもちゃは単なる遊ぶだけの道具ではなく、犬の飼育にとって大きな意味のあるアイテムでもあるのです。おもちゃを購入するときは、適当に選ぶのではなく、犬の年齢や性格などに合わせて購入するのがおすすめです。
ここでは、犬の遊びについての定義、そして犬が喜ぶおすすめのおもちゃについてご紹介していきますね。
愛犬と一緒に遊びたい!…でも実は犬は一人で遊ぶのが大好き
実は、犬にとって「遊ぶ」というのは、一人遊びが基本となります。もちろん、母犬や兄弟犬たちと一緒に過ごしていればじゃれあうなどしながら社会性を養っていきますが、それはあくまでも社会性を養うための勉強といったような位置づけとなります。
人間側から見れば一人遊びしている犬を見ていると、なんだか可哀想にすら思えてしまうかもしれませんが、それも一種の「犬の習性」でもあるわけです。
犬の一人遊びってどんなことをするの?
では実際、犬の一人遊びとはどのようなものなのでしょうか?実は、人間が見てもとても遊んでいるように見えない状態でも、犬にとっては「楽しくて仕方ない」ということもあります。
最も分かりやすいのが、お散歩やドッグランなどで芝生や草の上を転がる遊びです。また、ドッグランなどで鳥などを追いかけながら走り回るのも、分かりやすい一人遊びですね。
元々は狩りをしていた動物ですから動きがるものにはとても興味があります。食べるつもりはなくても鳥などを追いかけることはよく見かける光景ですね。おもちゃで遊ぶのも同じことが言えます。
逆に、「これが一人遊びなの?」と思ってしまうようなものもあります。例えば、突然地面を掘り出したり、草や芝を食いちぎってみたり、目の前を飛び回る虫をジッと眺めていたり――こういったものも一人遊びなのです。特に穴掘りが好きな子は、飼い主が「どうしちゃったの!?」って思うくらい熱心に掘っています。
人間と一緒に遊んでいる時は「興奮しているだけ」の状態です
では、犬が一人遊びをしている時と、人間と遊んでいる時との違いは何なのでしょうか?人間と遊んでいる時の犬も非常に喜んでいるように見えますが、これは「遊んでいる」という感覚とは異なるのでしょうか?
人間と一緒に遊んでいる時は、「遊んでいる」というよりも、むしろ飼い主と一緒の時間を共有できていることに喜びを感じている状態です。
また、例えばボールなどで遊んだりなど道具を使って遊ぶ場合は、狩猟本能などが呼び覚まされて興奮しているような状態です。この場合、興奮状態が長く続いたりしていると、徐々に飼い主でもコントロールが利かなくなってしまう可能性もあります。
そうなると、他の犬を追い掛け回したり、最悪の場合噛んで怪我をさせてしまう可能性すらあります。つまり、楽しそうに見えているのは興奮のためであって、決して遊んでいることを楽しんでいるわけではないということも知っておきましょう。
興奮してはしゃいでいる姿はとても精悍で良い顔つきをしていますし、楽しそうな表情に見えますが、スイッチが入ると本気モードに突入してしまう危険があるので十分な注意も必要なのです。
興奮させずに楽しく遊ぶ方法は?
犬の中には、興奮しすぎると痙攣を引き起こしてしまうこともありますので、できることならあまり興奮状態にさせないことも大事です。とは言うものの、やはり飼い主としては犬と遊びたいという本音もあるでしょう。
犬を興奮させることなく一緒に遊ぶ方法は、“犬に任せる”と言ったほうが適切かもしれません。つまり、人間が遊びの主導権を握るのではなく、犬が一人で遊ぶに任せておくのがイチバンです。
となると、飼い主としてはやや物足りなさも感じてしまうかもしれませんが、変に興奮状態にしてしまうよりは遥かに安全です。それでも、誰もいないドッグランなどであれば、たまには存分に走らせてあげるのもいいでしょう。
室内犬の場合も、やはり室内でおもちゃなどで一人遊びをすることがありますが、室内では環境の変化があまりないため、犬にとっての刺激も少なくなってしまいます。できることなら、たまには庭に出してあげて一人遊びを堪能させてあげることも必要になってきます。
犬にとっては、外で色々な匂いを嗅いだりすることも一人遊びの範疇となりますので、自然に触れさせてあげるという意味でも大いに意義深いのです。
それでも飼い主だって楽しみたい!その気持ち良く分かります
では、飼い主が犬と一緒に遊べる方法はないものなのでしょうか?実は、飼い主が犬と一緒に「遊び」を楽しむ方法はありますが、それはこれまでのように人間目線での遊びではなく、犬目線で遊ぶことが大切なのです。
犬と接する時は犬目線で接することが大事なのと同じように、遊ぶ時も犬目線で遊ぶわけです。その際、遊びのペースは犬に任せます。犬が興味を持ったものに対して、一緒に飼い主も興味を持ってあげること大切です。
犬が芝生で寝転がって遊んでいるなら、飼い主も一緒に寝転がってあげる、草や花に興味を持っているようなら一緒になってそれを眺めたりしながらその感覚を共有し合うこと――これが本来の“犬と一緒に遊ぶ”という行動になります。
もちろん、おもちゃやボールを使ったりなど、道具を使うのもいいのですが、長時間やり続けるのは好ましくないと言えるかもしれません。おもちゃを使った遊びは適度な時間に抑え、後は一人遊びを満喫させてあげること、そしてそれを飼い主も一緒に共有してあげるのが理想的だと言えます。
それに、もし飼い主さんがかまいすぎて一人遊びができない子になってしまっても困ります。というのもお留守番ができなくなる可能性があるからです。一人だと寂しい、と感じたらストレスになりますし、部屋の中をいたずらして回ることだってあります。
だから犬が一人遊びをする時間はとっても大切なんです。飼い主がいるときは一緒にその時間を共有して楽しんでもらい、犬だけであってもそれはそれで楽しめる、という関係が望ましいです。
犬用おもちゃ選びの注意点
おもちゃ選びの注意点としては、次のようなものがあげられます。
- ボロボロになったら新品と交換する
- 壊れやすいものを選ばない
- 固すぎるものも注意
- 衛生面に気を遣う
- 生活用品をおもちゃにしない
- 愛犬の体に合ったものを選ぶ
- 信頼できるメーカーのものを選ぶ
- 目的別で選ぶ
ボロボロになったら新品と交換
犬は、目の前にたくさんのおもちゃがあっても、気に入ったものだけを優先して選ぶという特徴があります。ボロボロになってもいつまでも飽きることなく遊んでくれるのはありがたいものですが、あまりにボロボロになっていては誤飲などの危険も伴います。
すっかりボロボロになってしまったおもちゃは、なるべく早めに新品に取り換えましょう。愛着があるものを取り換えるのは忍びないかもしれませんが、それで万が一のことになったらそれこそ大変です。
壊れやすいものを選ばない
犬が遊んでいて簡単に引きちぎれる・噛み切れるものは誤飲の危険性が高まりますので選ばないようにしてください。24時間ずっと見ていることができるわけではありませんから、飼い主が知らないところで噛みちぎって誤飲するかもしれません。
特に犬だけでお留守番をさせている時に誤飲をされたら、それに気付けるのが数時間後ということだってあり得るわけです。
それに誤飲をしていなくても、壊れているおもちゃを飼い主が見つけるだけで「もしかしたら破片を飲み込んじゃった?」と心配になって精神衛生上よくありません。実際にはその破片がどこかに転がっていたとしても、それを見つけるまでは飼い主は不安になりますよね。それに飼い主が不安になれば犬も不安になります。
もちろん丈夫なものでも遊び続けていたら壊れますので、上でも書いた通りボロボロになってきたら早目に交換することも忘れないで下さい。
固すぎるものも注意
壊れやすいものは困りますが、逆に固すぎるものでも、犬の歯が折れる可能性があるので注意が必要です。とは言っても犬用のおもちゃとして販売されているものだったら、丈夫であっても固すぎない丁度いい範囲になっています。
ですが、そうでないものをおもちゃとして与えると、もしかしたら固すぎるかもしれません。「犬が喜んでいるし丈夫そうだから、これをそのままおもちゃにしよう」と、犬用のおもちゃじゃないものを与えると、実は固すぎたということがあり得ます。
歯が折れたら元通りにはなりませんから注意してあげて下さい。
衛生面に気を遣う
犬の口の中は雑菌だらけ。おもちゃを放置しておけば衛生的にもよくありません。咥えたおもちゃをそのあたりに置いておけば、室内の快適な温度のおかげで雑菌もどんどん繁殖していきます。そしてそのおもちゃをまた犬が咥えると考えると、いかに清潔にしておくことが大切かわかりますよね。
それに犬のよだれには人間に害を与える病原菌が含まれている可能性もあります。ですから、見た目は汚れているようには見えなくても、なるべく小まめに洗浄もしくは天日干しするようにしましょう。目安としては少なくても週一回は洗いたいところ。
洗浄をすることを考慮して、洗いやすいもの・メンテナンスがしやすいものを選ぶことも必要ですね。
生活用品をおもちゃにしない
「我が家では昔使っていたスリッパで遊んでいるので、それをおもちゃにしています。」という人もいるかもしれません。衛生面がしっかりしているなら大丈夫だろうと思うかもしれませんが、あまりおすすめできません。
というのはスリッパをおもちゃに与えると、犬の中で「スリッパ=おもちゃ」という図式ができ上がり、今現在現役で使っているスリッパであってもおもちゃと勘違いして遊びだします。
このように生活用品のお古をおもちゃにすると、生活用品全般がおもちゃになりかねないのでおすすめできません。もしなにかを再利用するなら、元の形状がわからないように加工しましょう。タオルやシャツだったら元の形がわからないように結ぶとかですね。
愛犬の体に合ったものを選ぶ
極端にいえば、超大型犬を飼っているのに超小型犬用のおもちゃを与えるというのはNGです。もちろんそれは誤飲などの危険があるからですね。のどの大きさにピッタリのボールを飲み込んでしまったら、単なる誤飲ではなく最悪窒息する危険だってあります。
大型犬なら大型犬用の、小型犬なら小型犬用のおもちゃを与えるようにしましょう。大型犬から小型犬まで全犬種対応のおもちゃもありますから、そうしたものを選ぶのもおすすめです。
信頼できるメーカーのものを選ぶ
どのメーカーが作ったのかも意識したいポイント。場合によっては、歓迎できない化学物質などが混ざっている可能性もゼロではありません。それが元でアレルギーなどになってしまうこともあります。
ペットグッズ専門のメーカーが作っているのか、安全基準が整っている国で製造されているのかということも意識して選びましょう。
目的別で選ぶ
下の項目で目的・タイプ別に紹介していますが、そのように目的に応じたおもちゃを用意することも大切です。とは言ってもたくさんの種類を用意する必要はありません。犬の年齢や大きさ、性格や癖などに応じていくつか用意してあげるだけで充分です。
また飼い主の都合もある程度考慮したおもちゃ選びも重要です。例えば友達が遊びに来て、久しぶりにいろいろとお話をしたいという時だってありますよね。そんな時には犬には一人で遊んでいてもらいたいということだってあると思います。
でも家にあるおもちゃが飼い主と一緒に遊ぶものしかなかったら、犬は一人で退屈するかもしれません。また一人遊びできるものであっても音が出るタイプだったら気が散ることもあるでしょう。
そんな事態にも対応できるようにいくつかの種類を用意しておくことをおすすめします。
目的・タイプ別におすすめの犬用おもちゃ
犬の場合、子犬の頃からおもちゃで遊ばせてあげるのが理想です。たとえば、里親として成犬から飼い始めた犬の場合、おもちゃで遊んでくれないこともあります。それもひとえに、子犬の頃からそうしたアイテムに慣れていないことが原因です。
フードやおやつに執着心が強い犬におすすめのおもちゃ
おもちゃの中にフードやおやつを入れるタイプのおもちゃです。コロコロと転がして遊んでいるうちにポロッとおやつが出てくるというもので、多くの愛犬家も使用しています。
大好きなおやつを食べるために夢中になって遊んでくれるので、なかなかかまってあげられないときなどには重宝するアイテムです。もちろん、転がしてすぐにおやつが出てきてしまうというものでもないので、食べ過ぎなどの心配もありません。
同じ犬種であってもおもちゃでなかなか遊んでくれない犬もいますが、こうしたフードやおやつを入れるタイプのおもちゃならきっと夢中になって遊んでくれるはずです。健康な犬であれば食べることは大好きなはずですから、すべての犬におすすめできるおもちゃだと言えそうです。
また、噛む玩具として歯磨きにも役立ちます。素材も、プラスチック製のものやゴム製のもの、形状も様々なものが売られていますが、丸洗いできるなど衛生的に使えるものを選びましょう。
甘噛みの多い犬や歯の生え変わりの時期におすすめのおもちゃ
色々なモノを噛む癖のある犬も多いですよね。また、子犬で歯の生え変わりの時期に差し掛かった犬も、歯のムズムズ感を解消するために色んなモノを噛んだりします。
そうした犬におすすめなのが、噛むことだけに特化したおもちゃです。様々なサイズがあるので、犬種を問わず使用することができ、丸洗いできるので衛生面でも安全です。
最近特に人気が高いのは、天然木でできたスティック状のおもちゃ。散歩中に、落ちている木の枝などを噛んで遊んでいる犬もいたりしますが、落ちているモノにはどんな危険が潜んでいるのか分かりません。できることなら、こうしたおもちゃで遊ばせてあげるようにしましょう。
歯垢除去などお口の健康管理におすすめのおもちゃ
犬のデンタルケアに特化したおもちゃも人気です。こちらも、噛み癖の多い犬や歯の生え変わりの時期を迎えた犬におすすめです。柔らか素材でできたタイプが多く、大型犬用~小型犬用まで犬種ごとに合ったサイズが販売されています。
たとえ歯磨きの嫌いな犬であっても、おもちゃで頻繁に遊んでいる犬の歯はとてもキレイです。それはもちろん、おもちゃを噛むことで歯垢除去が行われている証拠でもあるわけですね。
そうした歯垢除去をさらに効率よくできるようにしてあるのが、デンタルケア専用のおもちゃというわけです。
このタイプのおもちゃは、丸洗いできるため衛生面では心配いりませんが、頻繁に噛んでいるとボロボロになってしまうため、剥がれた部分を誤飲してしまう恐れもあるので注意が必要です。
野性的本能をサポートしながらストレス発散してくれるおもちゃ
クッションやぬいぐるみ、枕などを咥えてブンブン振り回す――。そんな行動に悩んでいる飼い主さんも少なくないのではないでしょうか?
クッションなどを咥えて振り回す行動を目の当りにして、「うちの子おかしくなっちゃったの???」と、ショックを受けてしまう方もいらっしゃるようです。
しかし、これは犬の狩猟本能とも言える行動で、決しておかしくなってしまったわけではありません。もちろん、そうした行動の裏にはストレスというものも多分に含んでいるはずではありますが……。
そんな犬におすすめのが、犬用のぬいぐるみです。犬用のぬいぐるみに関しては、もはや説明が必要ないくらいにメジャーなおもちゃ。
ペットショップやホームセンターだけでなくコンビニなどでも見かけるようになってきましたね。ぬいぐるみなので、当然布製となっていますから、なるべくこまめに洗うようにしつつ、衛生管理にも気を付けましょう。
遊びながらデンタルケア&ストレス発散できるおもちゃ
犬用のおもちゃは、基本的にひとりで遊ぶタイプのものがほとんどですが、たまには飼い主さんも一緒に遊んであげるのもおすすめですし、愛犬も喜んでくれます。
そんなときにおすすめなのが、ロープ状のおもちゃです。これは、飼い主さんがロープを持ち、犬がそれを引っ張って遊ぶことから、「引っ張りっこ」という愛称で呼ぶこともあります。
噛んだり引っ張ったりすることで、デンタルケアとストレス発散を同時に行うことができる優れものです。このタイプも、ペットショップやホームセンターだけでなく、コンビニでも売られています。デザインも、愛らしくデザインされたものから、ロープだけというシンプルなものまで様々あります。
犬の遊びについてとおもちゃまとめ
私たちが知っている犬の遊びなどの行動は、すべて人間側の都合で見た視点にしか過ぎません。犬と同じ目線になってあげることで、飼い主として知っておくべき愛犬の新たな一面を発見できるきっかけになるかもしれません。
ここで紹介したおもちゃは、比較的安価でどこでも手に入れやすいものを取り上げてみました。価格的にも数百円~というものも多いので、手軽に購入できるのも魅力といえそうです。通販などでも、珍しいデザインのおもちゃが売られていたりもするので、そうしたものをチェックしてみるのもいいでしょう。
おもちゃは必ずなければならないというわけではありませんが、ひとつだけでも用意しておくと、犬のデンタルケアやストレス発散に役立ちます。
おもちゃに興味を示さないのであれば、おやつを詰めるタイプのおもちゃが有効ですし、歯磨きが嫌いな犬ならデンタルケアに特化したおもちゃを選んであげるなど、用途に応じてチョイスしましょう。
また、ペットボトルなど身近なものをおもちゃとして愛用してくれる犬もいます。そうした愛犬の好みに応じてチョイスしてあげるのもおすすめの方法です。ここでは目的・タイプに分けてご紹介してみましたが、ぜひ飼い主さんと愛犬の両方が満足できるアイテムを見つけてみてください。
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