愛犬のご褒美におやつを与えるという飼い主さんも多いかと思いますが、どうせなら愛犬の大好物をあげたいと考えている人も少なくないようですね。
基本的に犬は人間の与えるものを何でも喜んで食べてくれるので、そもそも好物自体分かりにくいというのも本音かもしれませんね。では実際、犬の好きな食べ物とは何なのでしょうか?
この記事では、犬のおやつの必要性や好きな食べ物、与える際の注意点など、その辺りの知識を探ってみることにしましょう。
犬のおやつの必要性
犬の飼育にあたって必要なものは様々ありますよね。フードもそうですし、ケージやサークルなども、犬のために用意しておいてあげたいアイテムです。そうした必要アイテムの中におやつがあります。
おやつも、犬を飼育するにあたって必要なアイテムだと語られることもよくあります。しかし、犬に与えるおやつはどういうものが理想なのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか?
さらに、「そもそもおやつは必要なの?」という疑問を抱く方もいらっしゃると思います。はたしておやつは本当に必要なものなのでしょうか。そして与えるとしたらどういったものが理想的なのでしょうか。
「おやつはあった方がいいよ」と書かれている記事もたくさんありますよね。実際にペットショップで犬を購入する際にもそうアドバイスされたという方もいらっしゃるでしょう。
ですが、総合栄養食のドッグフードがあるのになぜおやつが必要なのか?と考えてしまう人もいるのではないでしょうか。また、おやつを与えることによってドッグフードを食べなくなってしまったり、栄養が偏ってしまったりといった「食に関する弊害がある」のではないかという心配も出てきます。
おやつが本当に犬の飼育に必要なアイテムなのかといえば、答えは「NO!」です。おやつは絶対的に必要なものではありません。人間の子供も一緒ですよね?もしペットショップなどでおやつを勧められたというなら、それは単に売り上げを伸ばすために薦められているに過ぎません。
とは言え、犬用のおやつがたくさん売られているのにも理由があります。主に次のことが愛犬におやつを与える理由です。
- 愛犬と飼い主さんのコミュニケーション
- しつけの際のごほうび
おやつは愛犬とのコミュニケーションやしつけに有効!
コミュニケーションについては、散歩や一緒にスキンシップを取ることで十分であると考える飼い主さんもいるかと思います。でも犬は食べることが大好きです。飼い主さんから食事以外のおやつをもらうことができたら、スキンシップとはまた違った絆が結ばれるのは事実です(かなり喜びます!)。
愛犬の好物を知っておけば、たまのご褒美としてあげるだけでなく、しつけにも使うことができますよね。
また、栄養管理としての主食はあくまでもドッグフードということになりますが、サプリメント的な意味合いを込めて与えるのもいいですし、手作りおやつにチャレンジしてみるのもいいでしょう。
大事なのはフード!おやつではありません
人間にあてはめても言えることですが、生きていくために必要な栄養素は食事から摂取するのが基本ですよね?お菓子だけを食べていては健康を維持することもままなりません。それは犬も同じこと。栄養は主食であるドッグフードから摂取するべきであって、おやつは常日頃から与え続けるべきものではありません。
おやつばかり食べている人間が風邪を引きやすい体質になってしまったり、肥満になったり、アレルギー体質になってしまったりするのと同じで、犬にもおやつを与え過ぎるのはNG行為となります。
ペットショップなどからおやつを勧められたからといって、必ず摂取させなければならないものではないということは理解しておきたいものですね。
ご褒美おやつを与えたい!犬の好きな食べ物はなに?
肉とは限らない!
犬の食生活といえばどのようなものを想像されるでしょうか?やはりオオカミの血を引く犬でもありますから、印象としては肉食というイメージが強いですよね?実際、ドッグフードやおやつの多くに肉が使われてもいますし、そうしたイメージを抱くのも当然です。
しかし、実は犬というのは肉食動物ではなく、雑食動物です。これは肉食のイメージが強い熊やキツネなども同じなのです。熊もどんぐりを食べたりハチミツを食べたりすることが知られていますよね?
散歩中に愛犬が草や芝を食べたりするところを見たことがある飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
つまり、犬も熊やキツネと同じように、肉があれば肉を食べるし、草や野菜が目の前にあればそうしたものも平気で食べるわけです。
犬が肉しか食べないのであれば、大好物は肉ということになりますが、そうではないと分かった以上は大好物を追求するのも難しくなってしまいますね。
意外にも野菜が好き!甘味にも強い反応を示します!
犬を飼っていると気付くかと思いますが、実は意外にも野菜をパクパクと喜んで食べる犬が多いですよね?サツマイモやカボチャなどを与えるととても喜びますし、キャベツなども美味しそうに食べてくれます。
犬のおやつの中にも、サツマイモやカボチャを使ったものも多く見られますよね?犬がなぜサツマイモやカボチャを好んで食べるのかというと、実はその甘味が理由だとも言われています。
ご存知のようにサツマイモやカボチャは豊富なでんぷんを含んでおり、そのでんぷんが分解されることで豊富な糖分を蓄えるようになります。犬の味覚はこの甘味に敏感に反応するため、非常に好んで食べる傾向にあると言われているのです。
犬も人間と同じで、甘いものが大好きなようですね。キャベツなども甘味がありますので、そうした甘味に対して強く反応するため好んで食べるのかもしれませんね。
フルーツだってウェルカム!果物好きな犬も多い!
野菜や肉と同様に、リンゴやバナナなど果物が大好きな犬もいますよね。リンゴやバナナ意外にも、柿や梨なども喜んで食べてくれます。
犬によっては、野菜や果物を切る音に反応してキッチンまで駆け寄ってくることもあります。
ただし、市販されているドライフルーツや缶詰などは砂糖も大量に添加されているため、与えるのは絶対にNGですので注意してくださいね。
馬肉や鹿肉もおすすめ!
やはり肉にも強い関心を示しますよね。ササミを茹でてあげるととても喜びますし、やはり犬にとっても肉は外せない食材のひとつと言えるでしょう。
もしアレルギーがあるという場合なら、低アレルギーで知られる馬肉や鹿肉などを与えてあげるのもおすすめです。これらは犬にとって理想的な栄養素が含まれる食べ物として知られています。
やはりご褒美ですから、おやつにしてもなるべく化学物質無添加のものを選びたいですし、健康を考えるならおやつを手作りしてあげるのもおすすめです。
犬は水の味も分かる!?
犬の嗅覚や聴覚が鋭いことは知られていますが、実は味覚も鋭いと言われています。それを顕著に示しているのが、「水の味」です。
我々人間も、山間部の湧水などを飲むと、「あーうまい!」と言ったりもしますが、それは単に水の冷たさや軟水や硬水の舌触りによって「うまい!」と思い込んでいるだけであって、本当に水の味を感じているというわけでもありませんよね?
しかし犬は水の味そのものを味覚として捉えることができるそうです。実際は味覚というよりも嗅覚で匂いを嗅ぎ分けていると言った方が適切かもしれませんね。
人間も鼻が詰まって嗅覚が低下してしまうと味覚が薄れてしまうのと同じで、味覚と嗅覚というのは結構な割合で大きく関係していますから、「嗅覚が鋭い=味覚が鋭い」ということは言えるかと思います。
犬が水を喜んで飲むのは、単に体温調節や喉が渇いたというだけであるケースがほとんどですが、水の味を分かっている上に、それを喜んで飲むということを前提として考えるなら、見方を変えれば「水=美味しい味=好き」という方程式が成り立ってもおかしくありませんよね。
この辺りは、実際に犬に聞いてみなければ分からない部分ではありますが…健康面も考慮して、普段の水飲みは綺麗で美味しい水を与えてあげましょう。
色々と与えてみて食い付きを観察してみるのもおすすめ!
当然の話ではありますが、犬に与えてはいけない食べ物だけは理解しておきましょう。それを理解した上で、愛犬に色々な食べ物を与えつつ、好物を探るのもおすすめです。
もちろん、与え過ぎは肥満の原因にもなってしまいますし、最悪のケースではフードを食べなくなってしまう恐れもありますので、その点だけは要注意です。
あまりにも多すぎる市販のおやつ!おすすめなのはどれ?
ペットショップやホームセンターだけではなく、現在ではスーパーやドラッグストア、コンビニなどでもペットのおやつが陳列されていますし、ペットのフードやおやつを始めとした様々なアイテムを取り扱うグッズ専門店も多く登場していますよね。
しかもその種類は実にたくさん。大型のペットショップやホームセンターであれば、何百種類というおやつを陳列しています。選ぶ方としても一体どれを選択したらいいのか悩んでしまうほど、その種類の多さには圧倒されます。
販売されているおやつの封を切って犬に試食させるわけにもいきませんから、どのおやつを選ぶかは飼い主に委ねられることになりますが、どのようなおやつを選べばいいかのポイントを押さえておけば、購入すべきおやつも絞られてくるはずです。
おやつ購入の際に押さえておきたいポイントとしては、
- 着色料などの化学物質が無添加のものを選ぶ
- 価格が安すぎるものは避ける
- 歯磨き用に購入するならキシリトール入りはNG
- 砂糖の含有量が多いものや塩分の高すぎるものはダメ
この4つは主に意識しておきたいポイントです。まず、添加物ですが、おやつの中には着色料や香料、保存料などの添加物が含まれているものがたくさんあります。犬の食い付きを良くするために、わざと味やニオイを付けていたりするわけですね。
しかし、そうした添加物は犬の健康を徐々に悪い方向へと導きかねません。おやつやフードに含まれる化学物質が原因でアレルギーを引き起こす犬もたくさんいます。
また、安い価格で販売されているおやつには、やはりたくさんの添加物が含まれています。メーカーによってはまだまだ『粗悪品』とも呼べるようなものを平気で製造しているところもあります。パーッケージばかりが派手でも、それが優良なおやつだとは言えないのが現状です。
これはそのまま、2番目の「価格が安すぎるものは避ける」というポイントへと繋がっていきます。なぜ価格を安くできるのかといえば、それは原材料に気を配っていないことの裏付けでもあります。
精肉の際に不要となったものをペット用フードやおやつなどの原料として使用していることもあります。そんなおやつは犬にとっては百害あって一利なしです。選ぶなら、少々価格が高くても、天然の原料を使用した自然派食材を基準に選びましょう。
また、おやつには歯磨き対策として販売されているものもあります。例えばグリーニーズなどのガムも有名ですよね?そうした歯磨き用ガムなどの中には、まれにキシリトールが含有されているものもあります。キシリトールは人間の歯には有効ですが、犬にとっては毒となってしまうもの。キシリトール入りのおやつは避けるようにしましょう。
もちろん、糖分や塩分の高すぎるおやつはNGです。煮干しをおやつとして与える方もいらっしゃいますが、人間用に売られている煮干しは塩分が高すぎるためNGです。煮干しを与えるなら、ペット用に売られている塩分の低いものを与えましょう。
猫のおやつで有名ないなば食品の「ちゅ~る」は犬用も発売されています。おすすめです!
おやつを与える際の注意点
犬におやつを与える際に注意しなければならないこともあります。それは人間用の食品を与えないことです。人間の食べ物は犬にとって味や塩分などが濃く感じます。塩分過多などになってしまってはかわいそうですので、犬用のおやつを用意しましょう。
また、与える量にしても、食生活が乱れてしまうくらい毎日与えるのではなく、週や月に1~2回など特別なものとしての位置づけであげれば問題はないでしょう。
しつけの際のごほうびおやつはかなり有効だと思います。トイレトレーニングなどのしつけはしっかりしておかないと家中たいへんなことになりますよね。それを成功させるように導くためにおやつを使います。
私も飼い犬に実践したことがあります。室内で秋田犬を飼っていましたので、トイレトレーニングなどのしつけに使いました。失敗すると怒ってしまいがちになるのですが、おやつを使うことによって愛犬も食べたいので出来るようにがんばるのです。
しつけの目的で与える場合に注意しなければならないのは、1度に与える量と回数です。しつけですから、できるまで何回も与えてしまうことになります。それでは多すぎなので細かくするなどして量を調節して与えることを大切にしましょう。
食べ過ぎてしまえば、肥満の原因になることがお分かりでしょう。そのせいでいらぬ病気を引き起こしたら愛犬にとって本末転倒です。寿命が縮まるようなことになれば困ってしまう事態です。だからコミュニケーションで与えるにしても、しつけの場合にしても、犬用のおやつを少量ずつ与えるようにしてください。
犬のおやつと好きな食べ物まとめ
おやつは必ずなければならないものではありません。しかし、しつけに使用したり、たまのご褒美として与えることは、飼い主と愛犬のコミュニケーションを図る上でも有効なアイテムです。
頻繁に与えなければならないものであれば購入費もできるだけ抑えたいものですが、おやつはたまに与えればいいだけのもの。できることなら、多少価格が高くても安心できるものを選びたいものですね。
また、犬が好きなのは肉である――というのは、あくまでも人間側の一方的な思い込みによるところが大きいようですね。実際には肉だけでなく、野菜も果物も好きな犬はたくさんいます。
生まれてからドッグフードしか食べたことのない犬もいれば、色々な食べ物を与えてもらえる犬もいます。
犬にとってどちらが充実した人生(犬生?)なのかと言えば、やはり圧倒的に後者なはずです。飼い主と共に色々な経験をしてこそ、充実した生き様になるのではないでしょうか。
犬にとっての楽しみとは、飼い主と過ごす時間、散歩(運動)、そして食べることです。そうした楽しみを、今よりさらに充実させたものにしてあげるためにも、愛犬の好きな食べ物を知っておくことはとても大切です。