パピーミルの現状と悪質ブリーダーを見極めるポイント4選

パピーミルの現状と悪質ブリーダーを見極めるポイント4選

最近、「悪質ブリーダー」や「悪徳ブリーダー」という言葉を頻繁に耳にするようになり、一部の愛犬家のみならず、一般的にも広く浸透してきています。

ご存知のように、犬のブリーダーというのは犬の繁殖を目的としている人のことですよね?繁殖してそれを販売することで、儲けを得ているのがブリーダーです。

でも、ブリーダーはただ繁殖させるだけが仕事ではありません。本来のブリーダーというのは、より優良な血統・犬種の存続などを目的として繁殖行為を行う人のことを指します。

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パピーミルの現状…儲けのために犠牲になる犬

パピーミルの現状…儲けのために犠牲になる犬

しかし、そうしたブリーダーの皮をかぶった一部の悪質なブリーダーによって、多くの犬たちが犠牲になっているという現実を知っている人がどれだけいるでしょうか?

ペットショップのショーケースに陳列されている可愛い子犬たち。しかし、その背景に広がるパピーミル(子犬工場)の実態を知れば、犬の購入方法に対する考え方ももう少し違ってくるはずです。

利益優先で劣悪な環境で飼育される犬。運動らしい運動もさせてもらえず、軟禁状態でただ子犬を生むだけに飼育されている母犬。

そうした環境で生まれた子犬は、体も弱く、先天的な異常を抱えているケースも少なくありません。健康だと言われて購入したのに、すぐに病気になったり亡くなってしまったりするトラブルも後を絶ちません。

そうしたトラブルに遭わないために、また、悪質なブリーダーに騙されないために、我々消費者も賢くならなければいけませんよね?

そこで、ここでは悪質なブリーダーを見極めるポイントについてご紹介していきます。

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飼育環境は整っているか

飼育環境は整っているか

まず、最初のポイントは、繁殖を行っている飼育環境です。今ではネットで直接ブリーダーから子犬を購入できる時代ですが、中には犬舎すら構えていないブリーダーもいます。

そんなブリーダーはとてもブリーダーとは呼べません。単なる「自称ブリーダー」に過ぎません。ブリーダーから子犬を購入する場合は、まずは犬舎を見せてもらえるようにお願いしてみましょう。

優良なブリーダーであれば、快くOKしてくれるはずです。なぜなら、子犬を実際に見たり説明を聞いたりすることは動物愛護管理法にも定められている義務だからです。

犬舎を絶対に見せようとしないブリーダーなら、その時点でそのブリーダーからの購入はやめましょう。犬舎見学を拒むブリーダーのほとんどが、劣悪な環境で飼育していることを知られたくないか、もしくは犬舎自体構えていない偽ブリーダーです。

ましてや日本の場合、ブリーダーから直接購入するよりも、ペットショップから購入する人の割合の方がまだまだ多いのが現状です。

悪質ブリーダーはそうした人向けに子犬の繁殖をしているだけですから、そもそも犬舎の衛生管理などに気を使う必要がないわけですね。

「子犬や母犬、兄弟などを購入者に直接見てもらい、双方が納得したうえで手渡す」という、ブリーダー本来の概念すら持ち合わせていないので、突然の訪問を拒むのです。

子犬を母犬や兄弟と引き離す時期は適切か

子犬を母犬や兄弟と引き離す時期は適切か

動物愛護管理法では、生後45日未満の子犬を引き渡すことはNGとされています。ブリーダーから購入する際には、購入しようとしている子犬が生後何日なのか聞くようにしましょう。

その質問に対してとまどっていたり、明確な返答ができないブリーダーであれば、そのブリーダーからの購入は避けた方がよいでしょう。

生後45日の期間というのは、子犬が犬の社会期を学ぶ上でとても重要な期間です。

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ちなみに、この期間も満足に過ごせなかった犬は、十分な社会性が養われず、他の犬を怖がったり、噛んでしまったりという問題行動を引き起こすこともあります。

悪質ブリーダーは、生まれた子犬を早く市場へ出し、どんどん儲けることしか考えていませんから、45日未満であろうとなかろうと関係なく引き渡そうとします。

購入時や購入後の相談にも快く応じてくれるか

購入時や購入後の相談にも快く応じてくれるか

優良なブリーダーの多くが、購入時の質問や購入後のサポートにも快く応じてくれます。しつけであったり、愛犬の健康管理であったりなど、子犬の血統を熟知しているだけでなく、その犬種のプロフェッショナルだからこそ様々な相談に応じてくれるのです。

しかし、悪質なブリーダーは、一度引き渡したらその後の連絡を拒否するケースもあります。

そもそも優良なブリーダーは、いかに愛情を持って子犬を飼育してくれるかを基準に飼い主を選んでいます。

  • 飼育希望者がなぜ犬を飼いたいのか?
  • 中途半端に飼育放棄してしまう恐れはないか?

といったことを基準にしながら、飼育希望者に対して様々な質問をしてくれます。

もちろん、そのブリーダーさんのお気に召さなければ絶対に犬を譲ってくれないこともあります。それも、犬のことを第一に考えているからこそ、なのです。

ですが、悪質なブリーダーは儲けることしか頭にありませんから、飼育希望者に対して質問してくるようなことはほぼありませんし、こちらの質問に対してもそっけない返事しかしないこともあります。

ワクチン接種に関して明確な回答をもらえるか

ワクチン接種に関して明確な回答をもらえるか

悪質なブリーダーは、その飼育環境からもわかるとおり、とにかくケチですし、無駄なお金を使うことを嫌がります。

優良なブリーダーは、子犬の引き渡しに際してワクチン接種をしてくれますし、ワクチン証明書も手渡してくれます。

タイミングはいつ?犬のワクチン接種の種類と費用
犬のワクチン接種。犬を飼うにあたっては、絶対に避けて通ることのできない言葉ですよね。 犬のワクチンには、5種や8種などという言葉が使われたりもしますが、そもそも犬を飼うこと自体が初めてであれば、それを聞いたところで「なるほど!...

敢えてこちらからお願いするまでもなく、それが当たり前だと理解しているブリーダーであれば黙っていてもワクチン接種までしてくれます。

ですが、悪質なブリーダーはワクチン代すらケチりますから、飼育希望者の方で接種するように勧めてきますし、実際には接種していないのに、「接種した」と偽るブリーダーもいます。

原則として、ワクチン接種した場合はワクチン証明書を手渡すものですから、ワクチン接種が済んでいるのに証明書がないという場合はその場で購入をやめるようにするのがベストです。

接種したと偽って本当は接種していないことも考えられますし、ブリーダー自ら勝手に接種してしまうこともあったりします。

本来、ワクチン接種は獣医師が行わなければいけないものです。そうしたブリーダーは信用に値しません。

まとめ

悪質なブリーダーによって繁殖される子犬たちは、健康状態や血統などは完全無視の状態で『出荷』されていきます。

母犬がどういった犬かということすら分からない状態ですし、ペットショップに陳列されるときにはすでに何らかの感染症にかかっていることもあります。

そうした犬に発行される血統書も本当に正しいものなのかどうか疑わしいのが実情ですし、ショーケースに入れられて常に人目に晒されている状態は常に強いストレスを受けていることにもなりますから、そこから体調を崩してしまうことも多々あります。

最近になって、ようやくここ日本でも環境省が重い腰を上げ、パピーミル規制に乗り出すようですが、それでもまだまだ議論がスタートしたばかりです。

いつしかこの日本も、犬に対して厳しい法整備が行われているドイツやイギリスなどといったペット先進国と肩を並べられるような日が訪れることを期待したいですね。

もし悪質ブリーダーの存在に気付いたら、行政に通報して下さい。

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