ヒゲ―そんな洒落た名前の付いた犬種をご存知でしょうか?そう、シュナウザーです。と言っても、これはミニチュア・シュナウザーの記事ですから、シュナウザー以外に答えはありませんよね……。
その名前の響きからも分かるように、シュナウザーというのはドイツ原産の犬種です。口元と目の上のヒゲが特徴的なことから、「ヒゲ」という意味を込めた「シュナウザー」と名付けられました。
正確には、ドイツ語の「シュナウツ=ヒゲ」からきており、ドイツ語では「シュナウツァー」と呼びます。「シュナウザー」というのは英語読みということになりますね。
ミニチュア・シュナウザーという言葉からも推測できますが、ミニチュア・シュナウザーにはその元となったスタンダードモデルが存在します。
そして、もうひとつ、ミニチュア・シュナウザーと真逆のモデルとなる、ジャイアント・シュナウザーという犬種もあります。
スタンダード・シュナウザー、ミニチュア・シュナウザー、ジャイアント・シュナウザーの3つが存在していることになりますが、単に「シュナウザー」という時はスタンダード・シュナウザーを指すのが一般的です。
日本では、住宅事情などもあり、飼いやすさからミニチュア・シュナウザーが人気です。
今や、日本国内で「シュナウザー」といえばミニチュア・シュナウザーというのが当たり前になっていますよね。
ミニチュア・シュナウザーは、以前から日本でも根強い人気がありましたが、その人気にさらなる拍車をかけたのが、人気ドラマ「マルモのおきて」ではないでしょうか?ミニチュア・シュナウザーという言葉は知らなくても、「マルモのおきてのムック」と聞けば、「ああ!あの犬か!」と、納得される方も多いでしょう。
実際、ドラマがきっかけでミニチュア・シュナウザーに興味を持った人も多いようで、中でもお子様を中心にしてとても大きな関心を集めました。
ミニチュア・シュナウザーってどんな犬?
ミニチュア・シュナウザーは、日本のJKC(ジャパンケネルクラブ)では番犬や警護、作業などを行う犬種である2Gに分類されていますが、アメリカのAKC(アメリカンケネルクラブ)やカナダのCKC(カナディアンケネルクラブ)では小型の野生動物を狩猟するテリア・グループに分類されています。
イギリスのKC(ザ・ケネルクラブ)やオーストラリアのANKC(オーストラリアンナショナルケネルカウンシル)、ニュージーランドのNZKC(ニュージーランドケネルクラブ)などでは、「実用犬」を意味するユーティリティグループに分類されます。
元々、シュナウザーはネズミ狩りにも用いられていた歴史があるため、その見た目も含めAKCやCKCではテリア・グループに分類されています。
本来はテリア系の血筋が入っていないということと、テリア系犬種はイギリス原産の犬種が多いということ、そしてスタンダード・シュナウザーは牧羊犬として活躍した歴史もあることから、KCではユーティリティグループに、JKCでもKCに倣って使役犬のグループに属しています。
ミニチュア・シュナウザーの性格は?
スタンダード・シュナウザーやジャイアント・シュナウザーとは、見た目こそ似てはいますが、ミニチュア・シュナウザーは小型犬種ということもあり、気質は小型犬種特有の警戒心の高さや頑固さに加え、甘えたがりな部分が目立ちます。
その反面、忍耐強さに長けており、非常に賢い一面も併せ持ちます。19世紀末に、フランスで繁殖された当初は「粗毛のミニチュア・ピンシャー」とも呼ばれていたように、ミニチュア・シュナウザーはとても活発で運動量もあります。
そこからも分かるように、ミニチュア・シュナウザーというのは、スタンダード・シュナウザーとミニチュア・ピンシャーとの交配で誕生しました。おじいさんのような見た目なので、大人しそうな印象を抱きがちですが、何にでも好奇心を持つお茶目な性格をしています。
また、以前の記事でも紹介したように、吠えにくい犬でもあります。
ミニチュア・シュナウザーのしつけ方
ミニチュア・シュナウザーは、とてもしつけのしやすい犬種だと言われています。しつけのしやすさ、そして抜け毛も少ないことと相まって、「初心者でも飼いやすい犬種」「最も優れた家庭犬」として人気があります。
頑固な一面がありますが、一度心を許した飼い主であればそれほど頑固さを前面に出すことはありません。信頼関係をしっかり構築できれば、元々が頭の良い犬種なので非常に高い忠誠心を持ってくれますし、初心者でもしつけをすることは可能です。
逆に、適当な飼育をするような飼い主であれば、ミニチュア・シュナウザーも瞬時にそれを感じ取ってしまいますので、しつけもしづらくなります。また、運動量が豊富なので、定期的な運動でストレス発散をしてあげることも必要です。
ミニチュア・シュナウザーで注意したい病気
犬も生き物である以上、病気はある意味で避けては通れないものですが、特に、ミニチュア・シュナウザーで注意したい病気を挙げるとすれば、遺伝性の眼疾患には注意しましょう。
- 若年性白内障
- 網膜萎縮症
以上の眼疾患は、遺伝的にミニチュア・シュナウザーが発症しやすいとして知られています。飼育することだけに満足するのではなく、定期的な検診などで、遺伝的な疾患の発症リスクをケアしていくことも忘れないようにしましょう。
まとめ
小型なのにガッシリとした体型をしたミニチュア・シュナウザー。その姿はとても健康的で、走り回る姿も雄々しい逞しさを感じさせてくれます。
ちなみに、ミニチュア・ピンシャーの血が入っているため跳躍力もあり、イスやテーブルなどであれば簡単に飛び乗ってしまうこともあります。飛び乗った際に滑って怪我をしてしまうことのないように注意を配ることも忘れないようにしましょう。
イスなどであれば、そこを気に入って自分の居場所とすることもありますので、滑り止めなどを敷いてあげるのもいいでしょう。
ただし、イスだけならばともかく、テーブルの上へ飛び乗るのはあまり褒められた行動ではありませんので、しつけをしてテーブルはNGということを教えることも大切です。