愛犬が寂しがり過ぎて困る――。そんな悩みを抱えている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
犬は家族でありパートナー。それは分かってはいても、毎日の仕事や家事などに追われて、なかなかスキンシップを図れないということもよくあることです。しかし、犬は本来とても寂しがり屋なもの。
相手をしてあげられていない場合、他の人や犬とのコミュニケーションを上手にとることもできなくなり、いわゆる「人見知り」や「犬見知り」の激しい犬になってしまいます。
寂しがり屋な部分を上手にカバーしてあげないと、ドッグランやドッグカフェなどへ出掛けてもコミュニケーション不足が原因で孤立してしまうことだってあるのです。そうなる前に、いかに寂しがり屋を改善していくかが重要です。
人や犬とのコミュニケーション不足に陥ってしまう犬のほとんどが、実は飼い主が寂しがり屋な部分を上手にカバーできていないことによるものです。そのため、愛犬はどんどんとストレスを溜め込み、不安が積もり積もってしまった結果、他の人や犬とのコミュニケーションに問題を抱えることになるのです。
ポイントとなるのは、そうなる前に愛犬にどの程度寂しがりな傾向があるのかを知っておくことです。
あなたの愛犬は寂しがり屋?傾向を把握しましょう
基本的に、犬のほとんどが寂しがり屋だと考えて差し支えありません。ただし、その傾向がどれだけ強いのかは個体差があります。極度な寂しがり屋さんであれば人見知り度も犬見知り度も強くなりますし、常日頃から飼い主に構ってもらっている犬であれば人見知り度や犬見知り度も低くなりますので、コミュニケーション不足に陥ることがなくなります。
では寂しがり屋の犬がみせる行動というのはどのようなものが当てはまるのでしょうか?
他人や他の犬と出会うと飼い主に助けを求める
お出掛け先で他の人や犬などと出会った際、相手の飼い主さんや犬が挨拶をしてきてくれているのに、それに応じることもせずにすぐに飼い主に助けを求める場合、寂しがり屋度の高い傾向にあります。
抱っこをせがんできたり、飼い主の後ろに隠れてしまうといった行動がそれにあてはまります。
とにかく逃げたがる
人や犬と出会った瞬間、その場からすぐに逃げようとする行動も、寂しがり屋度を計る指針となります。
震えている
人が触ろうとしたり他の犬が挨拶しようとしたりするとブルブル震えるのは、極度の不安状態にあるときです。
人や犬への威嚇
吠えたり咬みつこうとしたり、唸ったりする行動もストレスや不安状態にある犬にみられる行動のひとつです。
原因は寂しがり屋度が高いことが発端であるケースも多い
これらの行動は、もちろん病気や怪我といった要因を含むこともありますが、極度の寂しがりが原因でストレスや不安を抱えている場合も発端となります。
逆を言えば、人見知りや犬見知りをしない犬にしつけてしまえば、極度に寂しがり屋な犬になってしまうことはないわけですね。
ではそうするためには一体どうすればいいのでしょうか?
寂しがり屋な犬にしないために!留守番に慣らせてしまうのが一番!
寂しがり屋な犬はとにかく留守番が苦手です。無駄吠えや要求吠えも多くなるため、飼育のしにくい犬になってしまいます。寂しがり屋な犬というキーワードだけでも様々な問題行動へと派生してしまうこともありますので、犬の飼育を始める当初から、寂しがり屋にさせないことを意識したしつけが重要なのです。
同じペットでもこんなに違う!猫よりも犬の方が寂しがり屋!
犬は、猫以上に寂しがり屋な動物です。その違いは、「群れ社会かどうか」にあります。ペットとして飼育されているイエネコを始め、ネコ科の動物は原則単独行動が基本です。
唯一、ネコ科の中で群れ社会を形成するのはライオンですが、ライオンの場合はハイエナという強力なライバルに対抗するために、そうした習性が身に付いたと言われています。それ以外のネコ科動物――イエネコからチーターやヒョウといった動物まで、すべて単独行動です。
一方、犬の場合は祖先のオオカミが持っている習性が色濃く残っています。オオカミといえば群れで行動する動物としても知られていますが、犬も群れの中において自分の立ち位置や存在を認識する動物です。常に仲間と一緒に行動する習性が身に付いている犬にとって、ひとりになってしまう留守番ほど不安なことはありません。
そして、ペットとしての犬が最も信頼して頼るのが飼い主ということになります。どちらが群れのリーダーなのかは飼育の仕方次第ではありますが、いずれにしても、家族やパートナーという以前に、犬にとっては「群れ」という部分が大前提となります。
飼い主としても、愛犬と常に一緒に行動を共にするというのはなかなか難しいものです。特に、一人暮らしで犬を飼育している場合であればなおさらのことですよね。
それだけに、いかに留守番に慣れさせておくかは今後の犬の人生(犬生?)、そして飼い主人生をも左右することになります。
寂しがりが度を超すと分離不安に!
寂しがりが度を超えてしまうと、分離不安という深刻な状態を招きます。飼い主がいない間、ずっと大声で吠え続ける行動や、飼い主が帰宅したら家の中がめちゃくちゃに散らかっていたり、クッションなどを噛みちぎっていたりする行動が分離不安の代表例です。
孤独に耐えられずに、極度の不安という大きなストレスに晒された結果引き起こされるものです。
出掛ける際、愛犬に向かって声をかけて行くことは、犬にとって大きな不安のスタートとなってしまいます。飼い主としては愛犬が可愛いからこそ声をかけて行くのですが、その行動が犬の不安を助長していることになるわけですね。
そうした不安が日を増すごとに蓄積されていき、分離不安という深刻な状況を作り出してしまいます。
犬を飼育する前には、愛犬がひとりになる時間があるかどうかくらいは推測できるわけですから、寂しがりな状況を作り出さないような工夫も併せて考えておく必要があります。
まとめ
吠えない犬は存在しません。そして吠えるということは、何かを訴えているということになります。そして、その根本が不安やストレスなのです。
ましてや子犬期などであればなおさらのこと、親元から離れて不安だらけの状況ですから、一層ストレスに晒されることになります。
まずは、犬の飼育前に寂しがりを改善するための方法を模索し、その上で環境を十分に整えてから迎え入れることをおすすめします。
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