大型犬と聞いて、真っ先に思い浮かべる犬種はなんでしょうか?ゴールデンやラブラドールなどのレトリバー犬種や秋田犬、ジャーマン・シェパードやダルメシアンなどなど。
小型犬の人気が高まってはいても、大型犬種も未だ根強い人気がありますよね。もちろん、人気犬種の上位を占めるのは小型犬や中型犬がほとんどですが、それでも、大型犬や超大型犬を飼育する愛犬家も決して少なくありません。
せっかく犬を飼うのであれば、大型犬や超大型犬もぜひ一度は検討したいものです。きちんとしつけを行い、飼い主がコントロールすることができれば、これほど楽しいペットライフを送ることができる犬はありません。
この記事では、大型犬・超大型犬について、特に人気のある犬種と珍しい犬種をピックアップしてみました。
参考:みんなの犬図鑑
人気の大型犬の種類
ラブラドールレトリバー
大型犬の代表格といえば、ラブラドールレトリバーではないでしょうか。日本ではゴールデンの方が人気がありますが、海外ではラブラドールの人気が高い傾向にあります。
大きなボディとは裏腹に、穏やかな性格でとても高い知能を備えている犬種です。盲導犬として訓練される犬として、その姿を知っているという人も多いでしょう。知性が宿っている表情は愛らしく、飼い主を幸せな気持ちにしてくれます。
ラブラドールレトリバーは主に短毛ではありますが、抜け毛は多めですので、こまめなブラッシングが欠かせません。人と遊ぶことが大好きな犬種ですので、コミュニケーションをたくさん取ることができる飼い主のライフスタイルが必要です。
大きな犬と、思いっき遊んでみたい!という人にとっては満足することのできる犬ではないでしょうか。
ゴールデンレトリバー
ラブラドールと同じような姿、形をしていて、こちらは成犬になるにつれて被毛がふわふわと多くなります。
犬と散歩をしている人をよく見てみると、ゴールデンレトリバーを連れている人を多く見かけるのではないでしょうか。人気の犬種ランキングでも、大型犬で唯一30傑に顔を出すほどです。
性格は、ラブラドールと同じように穏やかで優しく従順、頭も良く社交的なのでご家庭に小さなお子さんがいても飼うことができます。自分よりも体の小さい子供を認知することができるのか、子供が引っ張ったり体に乗るというような無理な行動に対しても、黙って耐えることのできる犬種なのです。
ただ、被毛が長いのでアレルギーを持つ人には向かないかもしれません。
毎日のブラッシングも欠かすことができないので、きちんと世話をする時間を確保することが必須条件となります。
ダルメシアン
映画、「101」でも有名になった犬種として知られてはいますが、それ以前から愛好家を中心に根強く人気のあった犬種です。
日本におけるダルメシアンのイメージは、痩せ型の犬という印象を抱いている人も多いかもしれませんが、本来は骨太で筋肉質な「痩せマッチョ」な犬です。
運動能力が高く、非常に活発で陽気な一面もありますが、ストレスの多い環境では逆に攻撃性が現れることもあります。
飼い主やその家族には従順ですが、他人に対しては飼い主とは真逆に接します。かといって神経質なのか?というとそうでもないのがこの犬種の面白いところ。いかにストレスを溜めない飼育ができるかがポイントです。
バーニーズマウンテンドッグ
まるで物語の世界から飛び出してきたような、可愛い顔立ちをしている、バーニーズマウンテンドッグ。
こちらも、セント・バーナード同様にスイス原産の犬種です。犬に詳しくない人が見ると、セント・バーナードと間違えてしまうこともあります。
日本での飼育数も比較的多いのが特徴ですが、やはり夏の暑さは堪えるため、街中での飼育には不向きです。とても穏やかな性格なので、大型犬特有の飼育環境を準備できるのであれば、おすすめです。
成犬になるとレトリバーよりも大きくなるため、散歩の際にはかなり人目をひくこと間違いなしです。その大きな体を揺らしながらゆっくりと歩く姿は、まさに大型犬の代表格です。
性格はとても明るく、特に子犬のときにはイタズラ好きです。子犬といっても大型犬ですから力もあり、室内で飼っていると物を口に含んで壊してしまうことが多々あります。
散歩も、慣れるまでは強い力でぐいぐい引っ張られてしまいますので、女性やお子さんが散歩をさせる場合は注意が必要です。もちろん、これらがエスカレートすると問題行動になってしまいますので、早めに正しいしつけを行うようにしましょう。
バーニーズマウンテンドッグは、大型犬の中でも短命な犬種になります。そのため、定期的に信頼できる獣医に診てもらうようにしてください。
シベリアンハスキー
オオカミのような容姿が印象的な、シベリアンハスキー。かつては漫画やドラマの影響で人気に火がつき、人気犬種となりました。しかし、大型犬であることに加え、相当の運動量とコミュニケーションが必要である犬ということを知らない飼い主が多く、飼うことができずに手放してしまう飼い主が後を絶ちませんでした。
エスキモー犬の一種であり、またサモエドとも親戚関係にある犬種でもあります。
シベリアンハスキーは、りりしい容姿を持っていますが、性格はとても穏やかです。その反面、警戒心が強いところがあり、番犬としての役割を果たします。すぐに攻撃性を露わにするようなことはありません。
また、飼い主に従順という面を持ち、常に飼い主からの愛情とコミュニケーションを必要としています。家族の中で自分の居場所を感じることができないと、脱走してしまったり、仲間とコミュニケーションを取ろうと遠吠えをするのです。
体に合った運動量を必要とする犬ですので、一日2回の散歩は欠かせません。それも、できる限り長時間の散歩が望ましく、一時間以上の時間を確保するようにしましょう。
元々、寒いところで飼われていた犬ですから、暑さは苦手。夏は暑さ対策をしましょう。涼しいところで飼育したり、散歩は日が沈んでからにするなど工夫してあげてください。
ドーベルマン
日本では凶暴な犬種というイメージが強いドーベルマンですが、常に自信満々なその精悍な風貌に魅了される愛好家もたくさんいますし、飼育数も決して少なくありません。
本来はとても社交的で穏やかな性格なのですが、しっかりとパートナー関係が構築できていないとコントロールが利かなくなる恐れもあります。
秋田犬
日本で唯一の大型犬種で、地域によっては特定犬種として飼育が制限されています。その素朴でブチャカワな表情が人気を集め、飼育数も増加傾向にあります。
海外でも人気が高く、戦後日本からアメリカへと持ち出されて繁殖された秋田犬は、「アメリカン・アキタ」として公認されています。
イングリッシュ・ポインター
大型犬にしてはやや小ぶりですが、鳥猟犬として活躍してきた犬種で、そのしなやかな体躯に惚れ込む愛好家も多い犬種です。
好奇心旺盛で遊び好きなので、愛犬と目一杯楽しみたい人にもおすすめの犬種。飼い主にもよく懐くので、大型犬の飼育環境を備えることができればおすすめの犬種です。
オールド・イングリッシュ・シープドッグ
アニメにも出てきそうな全身毛むくじゃらの大型犬ですが、その無表情さがとても高い人気を集めている犬種です。
のらりくらりとしたイメージがありますが、本来は牧羊犬として活躍し、実は結構活発な性格をしているという、魅力的なギャップも持ち合わせています。
顔まで毛に隠れているのでその表情も読みにくいのですが、意外と短気な上に、しっかりしつけをしないとわがままを発揮します。また、大型犬という特徴も考えると、初心者には向きません。
ラフ・コリー
一般的に「コリー」と言えば、このラフ・コリーのこと。「ラフ」という言葉からもお分かりのように、ふっさりとした被毛が特徴です。ちなみに被毛が短いスムース・コリーという犬種も存在します。
ラフ・コリーの牧洋犬としての歴史も実に6,000年とも言われますから、とても歴史のある犬種ですね。
非常に温和な性格なので、家庭犬としても飼育しやすい犬種である一方、豊富な運動も必要となりますので、ある程度運動できる環境が確保できないのであれば、初心者には不向きです。逆に、しっかりと運動できる環境で飼育可能であるならば、おすすめです。
ジャーマン・シェパード・ドッグ
日本では、単に「シェパード」という場合、この犬種のことを指します。元はドイツで軍用犬として誕生した経歴の持ち主で、最も犬らしい犬として「究極の犬」とも呼ばれます。
現在では警察犬として活躍していることでも有名ですよね。軍用犬や警察犬として活躍するくらいですから、とても賢く利発は印象を受けますが、それもこれも訓練を受けているからこそです。
つまり、飼育をしてもしっかりと訓練をしなければ、”シェパードらしさ”の薄い犬に成り下がってしまいます。
俊敏で運動量も豊富ですので、しっかりとした飼育ができない人にはおすすめできません。
ワイマラナー
ドイツの貴族だけが飼育していたとされる高貴な犬種です。日本では、自動車のCMに登場したことで知名度が上がりましたが、それでも爆発的な人気を得るまでには至りませんでした。
筋肉質な体としなやかな四肢を備え、比較的抜け毛も少ないのが特徴です。しっかりとコミュニケーションを図りつつしつけを行うことができれば最高のパートナーとなり得る犬種ですが、コミュニケーションが取れない環境では神経質になってしまう傾向にあります。
性格自体は穏やかで飼い主にも従順ですが、運動量も豊富なので日々の運動は欠かせません。
珍しい大型犬の種類
ここからは、実際に日本でも飼育されているものの、意外と知られていない珍しい犬種についてご紹介していきます。
ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ
その名のとおり、シェパードのホワイトバージョンといったような犬種です。白い被毛が特長で、気品の高い犬種を好むヨーロッパではかなり人気の高いタイプでもあります。
カナディアン・ホワイト・シェパードという犬種から改良されて、スイスで繁殖されたもので、温厚な性格のため飼い主にも従順というのも魅力のひとつ。比較的飼育しやすい犬種です。
サルーキ
日本での飼育数も決して低くはありませんが、それでもなかなかお目にかかれない犬種のひとつです。
やや控えめな性格で自己主張の少ない犬種ですが、かといって臆病というわけでもないのが特徴です。しなやかな体躯に惚れ込む愛好家も多いのですが、自立心の高い犬種のため、初心者には不向きです。
アフガン・ハウンド
アフガニスタン原産の犬種で、長い四肢としなやかな筋肉、それを覆う長い被毛が魅力の犬種です。アフガン原産ではありますが、古代エジプトの出土品にも描かれているほど歴史があります。
頑固でマイペースな性格で、独立心も強いため初心者には向きません。
ジャーマン・ワイヤーヘアード・ポインター
グリフォンやジャーマン・シェパードといった犬種の交配で誕生した犬種です。見た目は、狩猟犬でも人気の高いポインターのようなシルエットですが、短毛のポインターとは違い、シュナウザーのようなワイヤーヘアーやヒゲなどが特徴です。
飼い主にもよく懐き、性格としてはそれほど問題はありませんが、とても運動量の豊富な犬種でもあり、家庭犬としてはやや不向きな面もあります。広い敷地で毎日存分に遊ばせてあげることができるのであれば、おすすめできる犬種です。
カーリー・コーテッド・レトリーバー(レトリバー)
レトリーバー系犬種として、日本ではほとんど知名度がありません。その名の通り、被毛がカールしているのが特徴で、巻き毛のゴールデンのような姿をしています。
性格はレトリーバー系犬種特有の知的でおっとりした一面があり、飼育自体は難易度も高くありません。
フラット・コーテッド・レトリーバー
カーリー・コーテッド・レトリーバーとは対称的に、近年日本でも飼育数が増えている犬種です。
見た目はゴールデン・レトリーバーに似ていますが、ゴールデンよりもややスマートな体型でネーミングの通り被毛がスラッと下へ伸びているのが特徴です。性格もレトリーバー系の特徴を備えています。
シュナウザー
日本では、シュナウザーと言うとミニチュア・シュナウザーが有名ですが、ミニチュア・シュナウザーよりも大型なのがスタンダード・シュナウザー、それよりも大型なのがジャイアント・シュナウザーとなります。
日本における飼育数は圧倒的にミニチュア・シュナウザーが多く、日本の住宅事情を考えてもそれは納得できますよね。スタンダード・シュナウザーはたまに見かける程度ですが、ジャイアント・シュナウザーともなるとほぼ見かける機会はありません。
3犬種とも、性格自体は温和で知的ですが、ミニチュア・シュナウザーはやや小型犬特有のやんちゃな一面も併せ持ちます。
日本での飼育ということを考えると、住宅事情や夏の暑さなども考慮する必要があり、初心者であれば間違いなくミニチュア・シュナウザーがおすすめです。
ゴードン・セター(セッター)
アイリッシュ・セターやイングリッシュ・セターなど、「セター」と名の付く犬種は様々ありますが、その中でもっとも大きな犬種です。
自分の信頼した飼い主に対してはとことん尽くす性格で、とても忠実。どこか日本犬を思わせるような性格なのが特徴です。とても好奇心の強い犬種で、狩猟犬という特性上、運動量も豊富です。
アイリッシュ・セター
セター系犬種としては、イングリッシュ・セターと人気を二分するほど有名な犬種です。レースのように体の周囲を飾る被毛が美しいのが特徴で、美しさを保つためのお手入れも必須です。
狩猟で人間のサポートをしてきただけあって、とても賢く誠実な性格ですが、スタミナもありエネルギッシュな犬種でもあるので、豊富な運動量をカバーするために日常的な運動は欠かせません。
イングリッシュ・セター
鳥猟犬として活躍してきた犬種で、セター系のなかでも人気はトップクラスです。日本でも明治期頃から飼育が行われており、現在でも犬の多く集まる施設などで目にできる犬種です。
アイリッシュ・セター同様に活発でエネルギッシュなので運動量も豊富です。比較的人あたりの良い犬種でもあり、飼育スペースや手入れ等の環境さえクリアできれば、飼育難易度も低いでしょう。
ファラオ・ハウンド
その細マッチョな体型は、アスリートを思わせるほどの美しさ。そのネーミングのとおり、五千年も昔のファラオの墓にもその姿が刻まれているそうです。
現在のファラオ・ハウンドは地中海のマルタ島原産とされています。およそ二千年前に、エジプトからマルタ島に輸入され、そのまま現在に至るまでマルタ島で純血種が守られてきたという歴史のある犬種です。
おとなしく、飼い主にも従順ですが、やや警戒心の強い犬種です。運動量も豊富なため、飼育にもしっかりと気を使ってあげる必要があります。
ピレニアン・マスティフ
グレート・ピレニーズとマスティフを合体させたような風貌は、まるで大きなぬいぐるみのように愛らしい表情です。
グレート・ピレニーズ同様に、ピレネー山脈で牧羊犬として、古くから活躍していました。狼や熊などにも立ち向かう勇敢さを兼ね備えていますが、基本的には温和な性格で飼い主にもよく懐きます。
それほど多くの運動量を必要としないので、毎日しっかりと散歩させてあげるだけでも十分です。
ディアハウンド
スコットランドで鹿の狩りに活躍した犬種で、スコティッシュディアハウンドとも呼ばれます。狩猟犬というだけあってスマートな体型ですが、見た目は「痩せたアイリッシュ・ウルフハウンド」といったイメージ。ですが、一時は絶滅の危機もあったほど、貴重な犬種でもあります。
性格は犬の中でもトップクラスと言えるほど穏やかな性格で、人間の子供にも優しく接してくれます。無駄吠えの少ない犬種としても知られています。
ドゴ・アルヘンティーノ
アルゼンチン原産の犬種ですが、その元となっているのはスペインの闘犬だと言われています。
とても誇り高い性格で、プライドの高さだけで言えば全犬種の中でもトップクラスと言えるほどです。ときに大胆な行動に走ることもしばしば。そのため、とても飼いやすい犬種とは言えません。
誇りの高い性格ゆえ、攻撃的な一面もありますから、飼育には十分気を使う必要があります。飼い主としてのリーダーシップを取れなければ、飼育は考えない方が無難です。
スルーギ
パッと見たイメージでは、サルーキのような見た目をしています。モロッコ原産の狩猟犬で、運動量もかなり大きいのが特徴です。
性格自体はとても温和ですし、攻撃的な一面を見せることもほぼありませんが、やはり「運動量」ということを考えると、普通の散歩だけでは不足してしまいます。
その膨大な運動量を賄ってあげられるほどの自信があるのであればおすすめですが、そうでなければ飼育は諦めましょう。
ここで挙げた以外にも、ハンガリアン・ショートヘアード・ビズラやスパニッシュ・マスティフなど、珍しい犬種は多々あります。もちろん、実際に日本でも飼育されている犬種ですから、どこかで会う機会もあるかもしれませんね。
犬好きなら知っておきたい!超大型犬の種類
一般的に家庭での飼育となると、日本では家の広さの問題もあるため、小型犬や中型犬が人気です。ましてや室内飼いともなると、どうしても個体の大きさも気にしなくてはなりませんから、大型犬以上の犬種となると、飼育に二の足を踏んでしまいがちですよね。
しかし、日本とは違って家も敷地も広い海外では、超大型犬の飼育もメジャーですし、日本でも超大型犬の愛好家が増えています。
超大型犬は、比較的温和で大人しい性格の犬種が目立ちます。しかし、大きい犬が他人や他の犬に対して攻撃的な一面を見せてしまった際に、それをしっかりとコントロールすることができるリーダーシップも求められます。
また、必要な運動量も小型犬や中型犬の比ではありませんし、夏場の飼育は非常に気を使ってあげる必要もあります。そうした面も総合的に踏まえた上で、飼育を考えましょう。
ここでは、犬好きなら知っておきたい超大型犬の種類や性格などを、ご紹介していきます。ぜひ、お気に入りの”バディ”を見つけるための参考にしてみてください。
セント・バーナード
スイス原産のファームドッグで、超大型犬としては日本でもお馴染みの犬種です。アニメに登場したことも人気に火を付けました。実物は見たことがなくても、誰もが一度は名前を聞いたことがあるでしょう。ちょっと上の世代の方なら、アルプスの少女を連想される方も多いかもしれませんね。
雪山の救助犬として活躍した犬で、絶滅のピンチにも遭遇した歴史があります。
意外と知られていませんが、セント・バーナードにはスムースとラフの2種類の被毛タイプがあります。大型犬の特性上、日本の夏はかなり堪えますから、飼育環境には気を使う必要があります。
その大柄な体に似合わずとても従順で穏やかで大人しい性格、人懐こくて賢い一面があります。ただし、やや警戒心の強い犬種でもあるので、飼育にはしっかりとしたパートナー関係の構築が必須です。
とても力も強いため、子供の頃からのしつけも重要です。
グレート・ピレニーズ
真っ白い被毛に堂々とした風格は、超大型犬らしい貫録を覚えます。その名のとおり、ピレネー山脈で家畜を守ることを仕事として活躍してきました。
その昔、アニメ「走れジョリー」でもお馴染みとなった犬種です。30代後半くらいから40代以降の方ならとても懐かしさを覚えるのではないでしょうか?実際、アニメをきっかけにグレート・ピレニーズに憧れた方も多いはずです。
従順で温和な性格、そして我慢強さも兼ね備えた犬種でもあります。狼や熊にも立ち向かう勇敢さも持ち合わせています。
とても我慢強く、すぐに「キレる」ということはありません。ただし、やや独立心の強い傾向にあり、時として犬自身の判断で自由に行動させてあげることも必要です。飼育するにはとても魅力的ですが、初心者向きではありません。
夏場の飼育には気を付けなければいけませんし、被毛を綺麗に保つためのケアもしっかりと行う必要があります。
プードル
日本ではトイ・プードルやミニチュア・プードルが人気ですが、本来のスタンダードモデルは超大型犬です。現在ではフランス原産の犬種とされていますが、プードル自体の歴史も古く、詳細な原産地を特定することができていないのが本当のところのようです。
利発で飼い主にもよく懐く犬種として、トイやミニチュアだけでなく、スタンダードタイプも日本でたまに見かけることができます。
ニューファンドランド
「ニューファン」という愛称でも知られるカナダ原産の超大型犬で、真っ黒で熊のような風貌が特徴です。
その昔は、猟師のサポートをしていた犬種で、一時は海難救助犬としても活躍してきました。脚の指の間には水かきのような皮膜・被毛があり、泳ぎも大変得意で寒さにも強い犬種です。
その風貌に似合わず、超大型犬らしくとても賢くて温和な優しい性格をしていますが、しっかりとしつけを行わないと頑固さが目立ってしまうこともあります。
運動量の大きな犬種なので、運動も欠かせません。夏の暑さや飼育スペースの確保といった問題をクリアできなければ飼育はおすすめしません。
グレート・デーン(グレート・デン)
その巨大さが人気を集め、最近では動画サイトなどでも頻繁にお目にかかる犬種です。猪狩りにも使用されていた歴史があり、その筋肉質な体型に惚れ込む愛犬家も多数。
性格はとても優しい性格で飼い主にも従順ですが、全犬種の中でもトップクラスの大きさなので、特定犬種として飼育を制限している自治体もあります。
手入れは簡単ですが、運動量の豊富な犬種のため日々の運動は欠かせません。とにかくその巨体ゆえ、飼育スペースの確保も重大項目となります。
しかも、屋外飼育よりも室内飼育に向いている犬種なので、最初から屋外で飼育しようと考えている場合はおすすめできません。もちろん、しつけなども重要なので、初心者には不向きです。
ロットワイラー
古代ローマの頃から知られる歴史のある犬種です。現在では警察犬や盲導犬としても活躍し、特にアメリカでの人気がとても高い犬種です。愛犬家の間では「ロッティー」と言う愛称でも呼ばれます。
非常に知的で賢い性格ですが、繊細な一面も持ち合わせているため、しつけがしっかりとできていないと攻撃的な一面を見せることもあります。見た目が精悍なため、やや冷淡で怖そうな印象ですが、とても賢く家庭犬に向いている犬種でもあります。
近年、日本でも人気が出てきており、タレントの所ジョージさんが飼育していることでも有名ですよね。
マスティフ
威厳のある風貌で、初めて見た人は後ずさりをしてしまいそうなほどの威圧感があります。大昔は闘犬として飼育されていましたが、現在では家庭犬としての飼育が可能なまでに改良されました。
見た目の怖さとは裏腹に、穏やかで物怖じしない落ち着きを感じるほどの性格です。夏場の暑さには弱いので、飼育環境がとても重要になります。
マスティフの祖となるのは、多くの犬種の祖でもあり最高2億円~3億円という値が付いたことでも知られるチベタン・マスティフです。
「マスティフ」と名の付く犬種には、ナポリタン・マスティフやスパニッシュ・マスティフ、ボルドー・マスティフ、ブル・マスティフといった犬種もあります。
チベタン・マスティフ
チベット原産で、知る人ぞ知る高額な犬種としても名を馳せたことでも有名ですよね。世界で最も古い犬種とも言われ、マスティフ系犬種は全てこのチベタン・マスティフが祖だと言われています。
優良な血統ともなれば数億円の値がつく高額な犬種です。日本でもブリーダーがいるので、運が良ければどこかでお目にかかれるかもしれません。
アイリッシュ・ウルフハウンド
狼から家畜や飼い主を守るためや、狼狩りなどのために飼育されてきた犬種で、体高は全犬種中最大です。一時は絶滅の心配もあった犬種ですが、愛好家たちの努力によって現在でもその雄姿を見ることができます。
狼に立ち向かうほど勇敢で荒々しい一面や、いかにも「獣らしい」風貌が近寄りがたい印象を与えますが、基本的には大人しく従順な性格の持ち主です。
愛情深く賢い性格のため、お子様のいる家庭でも飼育はしやすいのですが、夏の暑さには気を付けなければならない上に、豊富な運動量を賄うための運動やスペースも必要としますので、飼育環境を整えられない人にはおすすめできません。
土佐犬
ご存知、日本の闘犬です。様々な犬種との交配で誕生したと言われていますが、マスティフの血が濃いことから、愛好家の間ではジャパニーズ・マスティフという呼称でも呼ばれることがあります。
日本犬らしく、飼い主に対してはとても従順な性格ですが、飼い主以外の人間や犬には攻撃的になってしまうことも頻繁にあります。
そのため、場合によっては散歩などは他の犬と会わないようにすることも必要ですし、しっかりとした飼育ができなければ飼い主でもコントロールできなくなってしまいます。
初心者はもちろんのこと、そもそもしつけのための労力や時間を割けない人にはおすすめできません。
ボルゾイ
ロシアの歴史の影にボルゾイありと言っても過言ではないほど、ロシア原産として最も知られた犬種で、狼狩りとしても活躍しました。一時は絶滅しかけた時代もありましたが、ヨーロッパの上流階級の人たちがその難を回避し、現在に至ります。古くは「ロシアン・ウルフハウンド」という名前で、ヨーロッパでは人気があった犬種です。
スラッとした姿形をしていますが、長い被毛の下はとても筋肉質で、しなやかで引き締まった体型が特徴です。
古くはオオカミ狩りでも活躍したボルゾイですが、その性格は決して凶暴ではなく、比較的温厚で知的です。現在では狩猟犬としての本能はほぼ衰退しているとも言われています。
ただし、キレると攻撃性を発揮してしまうため、そもそも犬の扱いに慣れていない初心者にはおすすめできません。しつけも難しく、根気が求められます。しつけに時間を割けない人には、飼育は難しい犬種です。
大型犬&超大型犬の種類まとめ
大型犬だけでも、相当な犬種があります。それぞれに性格やルーツが違うので、単に大型犬と絞っただけでもまだまだ選択肢がありますよね。検討している犬種があれば、その犬の性格や飼育方法をよく調べることをお勧めします。
大型犬や超大型犬は季節ごとの体調管理や、運動など、飼育に気を配らなければならない要素が、小型犬以上にあるのも事実です。
また、犬種によっては許可を得なければ飼育できないものもありますし、飼育のための費用も小型犬の比ではありません。大型犬種の飼育を考えるなら、飼育環境や費用など、総合的に検討する必要があることも、承知しておきましょう。
犬は生き物ですから、飼ってから「やっぱりダメだった」といって、施設や他の人に譲り渡すことは関心しません。
犬もまた、環境がころころ変わることにストレスを感じる生き物なのです。その犬が一生を終えるまで飼うことができるかどうか、責任を持つことができるのかどうかをじっくりと検討し、犬を迎え入れるようにしてください。