世界で最も飼育されている犬として有名なのがラブラドール・レトリバーです。日本では小型犬人気の方が高めですが、海外では大型犬の方が人気も高い傾向にあります。
そんな中でも、賢くて従順なラブラドール・レトリバーは、とても飼育のしやすい犬種として人気があるわけですね。ラブラドール・レトリバーが賢いというのは、盲導犬などとして活躍している姿を見れば誰にでも分かりますよね。
もちろん、盲導犬として育てられたラブラドール・レトリバーは相応の訓練を受けているわけですから、最初からあれほどおとなしくて従順なわけではありません。そこを勘違いしてしまうと、飼育にも手を焼く結果になりかねませんので注意しましょう。
賢いからこそ、しっかりとしつけをしてあげることで飼い主がコントロールできる従順な犬になるということは知っておいて欲しいポイントです。そんなラブラドール・レトリバーの、性格やしつけ方のポイントについて説明していきましょう。
ラブラドール・レトリバーは家庭向きな犬種
ラブラドール・レトリバーは、温和で賢い性格が特徴で、攻撃的な一面や反抗心のとても低い犬種としても知られています。そのため、しつけもしやすいですし、そもそも無駄吠えなどの問題行動に至る確率も低い犬種のため、家庭犬としても向いていますし、子供や女性などでもコントロールできる犬種です。
そうした一面を持ち合わせているため、海外では非常に高い人気を誇っているわけですね。
ゴールデン・レトリバーとはどこが違うの?
ラブラドール・レトリバーと言えば、よく比較対象とされるのがゴールデン・レトリバーですよね?このふたつの犬種の違いは、ラブラドールは毛が短く、ゴールデンは毛が長いという風に説明されたりもします。しかし、そもそもこのふたつの犬種は起源が違うということをご存知でしょうか?
起源が違うということはつまり、全く異なる犬種という意味になります。同じ「レトリバー」という名前が付いている上に、姿形も非常に似通っているので、近い種類の犬種かと思いきや、全く異なる犬種というのも驚きですよね?
ラブラドールの祖となる犬は、ヨーロッパからカナダへ入植した人たちが飼育していた犬だと言われています。その犬がセント・ジョンズ・レトリバーという犬種で、この犬種とニューファンドランド犬との交配で誕生したとも言われています。
入植が行われたのは16世紀ということなので、犬種としての歴史もそれほど深くない犬種と言えますね。確かに、ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーをよくよく見てみますと、姿形こそ似ているものの、顔は全然違うことに気付きます。
現在のラブラドール・レトリバーはイギリスで改良された姿ですが、昔の記録に残されているラブラドール・レトリバーは、どこかニューファンドランドのような顔つきをしています。
ニューファンドランドのように泳ぎが得意なラブラドール・レトリバー!
泳ぎの得意な犬種としてよく知られているのが、水難救助犬としても活躍したニューファンドランドが有名ですよね。
しかし、ニューファンドランド系の血筋を受け継いでいるラブラドール・レトリバーも非常に泳ぎの得意な犬種で、猟師たちとともに海へ出て魚網を運搬したりすることを主な活躍の場としていました。
その後、イギリスでは泳ぎが上手な一面を活かし、鳥猟の回収犬として活躍し、ラブラドール・レトリバーという名前も、イギリスの貴族によって付けられたと言われています。
原産はカナダですが、名付け元はイギリスというのも、なかなかユニークな歴史を持った犬種と言えるでしょう。
ラブラドール・レトリバーのしつけ方のポイント
ゴールデン・レトリバーやフラット・コーテッド・レトリバーなど、他のレトリバー犬種とは異なり、ラブラドール・レトリバーの子犬はとてもやんちゃな一面があります。
成犬と子犬とのギャップが激しい犬種なので、子犬の時期からしっかりとしつけを行っておくことが重要だとされています。
本来はとても賢い犬種ですし、家庭犬としての資質も存分に持ち合わせていますから、子犬期のしつけさえしっかりと行っておけばそれほど手がかからないというメリットがあります。
ラブラドール・レトリバーをしつける上で基本となるのが褒めることです。犬のしつけの基本は褒めることですが、ラブラドール・レトリバーの場合は特に褒めることを重視してしつけてあげる必要があります。
飼育には運動必須な犬種!だから日本の住宅事情にマッチしにくい!
ラブラドール・レトリバーの唯一のデメリットが、その豊富な運動量です。本来がとても運動を好む犬種ですから、日常の散歩だけでは物足りなさを覚えます。
広い場所で目一杯走らせてあげることも必要になりますし、水も大好きなのでたまには水遊びをさせてあげることも必要ですし、雨を好む性質もあります。
また、元々寒い地方が原産ということもあり、寒さにはとても強い反面、大型犬特有の「夏の弱さ」も持ち合わせているので注意しましょう。
まとめ
以上のように、ラブラドール・レトリバーは全犬種の中でもトップクラスの賢さと従順さを持ち合わせているため、飼育しやすい大型犬です。
実は、初心者が飼育するならラブラドール・レトリバーよりもゴールデン・レトリバーの方が向いているとも言われていますが、両者の性格の違いはごく僅かですし、ラブラドール・レトリバーも初心者向けの大型犬と言っても間違いではありません。
また、先にも述べたように、とても運動量のある犬種ですから、なかなか散歩にも連れ出せてあげられないような環境であれば、飼育はおすすめできません。逆に、毎日の散歩も欠かさず、休日には一緒に遠出して遊ばせてあげられるような環境であれば、絶対的におすすめできる犬種と言えるでしょう。
健康面では、股関節に疾患を抱えやすい特徴もあります。運動が大好きでも運動のし過ぎは逆に負担ともなりかねないため、一度に目一杯運動させるという方法よりも、毎日コツコツ運動させてあげる方がいいでしょう。
そうなると、やはり毎日の散歩は欠かせませんし、たまにドッグランなどで目一杯遊ばせてあげるという方法が好ましいことになりますね。くれぐれも夏の散歩時は暑さに注意するようにし、日没後の涼しい時間帯を選ぶようにしてくださいね。