犬のハウス『ケージ』や『サークル』はどれがおすすめ?必要性と選び方も確認!

犬の飼育に欠かせないもののひとつにケージサークルがあります。単に、『ケージ』や『サークル』と呼ぶこともありますし、サークル・ケージと呼ぶこともあります。一般的には、屋根付きのものがケージ、屋根がないものをサークルと呼びます。

ケージとかサークルと言われても、これから犬を飼う方にはピンと来ないかもしれませんが、『犬用ハウス』と言い換えれば分かりやすいかもしれませんね。犬専用のハウスというと犬小屋を連想されるかもしれませんが、ケージやサークルは機能的に犬小屋とはまったく違うものです。

ケージやサークルにも、室内飼育用と屋外飼育用のものがあります。

室内飼育なのにわざわざケージを用意する理由とは?

屋外ならともかく室内飼育なのにわざわざケージを用意する理由

「室内飼育するのになんでわざわざケージやサークルが必要なの?」と、疑問を感じる方もいらっしゃるでしょう。檻のような形状をしているため、「閉じ込めるなんて可哀想!」と思う方もいるでしょう。

そういう考えを持つことは決して間違いではありませんが、それは人間側の視点で見た場合の話です。実は、ケージやサークルは、犬にとっても意味のあるアイテムでもあるのです。そのあたりを少々解説していきますね。

犬の習性を理解すれば必要性が分かる

もともと野生で生活していた犬の祖先は、本来は穴倉のような場所に身を潜めている習性があります。それは犬の祖先とされているオオカミや、イヌ科であるキツネやタヌキなどを見ればよく分かりますよね。

そんな習性を持った犬ですから、廻りを柵のようなもので囲まれたケージやサークルは安心できる場所にもなるのです。

留守番時にも危険を防げる

ケージやサークルに入れて留守番をさせると、思わぬトラブルの防止にも繋がります。留守番時にもっとも危険を伴うのが、やはり誤飲などのような事故です。

飼い主がどんなに気を付けていても、目の届かないところでの思わぬ事故は防ぎようがありません。そうした、“犬の安全”を確保する上でも、ケージやサークルが必要なのです。

しつけにも有効

ケージやサークルは、トイレなどのしつけにも有効です。トイレはハウスでするもの、という意識を持たせることで、家中どこでも排泄してしまうという問題行動を防ぐことができます。

また、犬自身も安心できる場所となるため、ストレス軽減にもなります。落ち着ける場所もなくストレスが蓄積してしまうと、分離不安症など問題行動を引き起こす疾患の要因にもなり得ます。

そうした意味でもケージやサークルを設置する意味が大きいのです。

犬用のケージやサークル…おすすめはどんなタイプ?

ひとえに犬用ハウス(ケージ・サークル)といっても、色々なタイプのものが発売されています。ここでは、ケージやサークルの種類とおすすめポイントについてご紹介していきます。

サークル

サークルは、単純に周囲のみが檻状になっているタイプで、囲いを設置するだけの簡単タイプです。床面がなく固定できないものと、床面と組み合わせて設置するタイプのもとがあります。

小型犬など体重の軽い犬なら問題ありませんが、中型犬以上の犬となると、ピョンピョン跳ねて囲いに寄り掛かった際にサークルそのものが移動してしまうというデメリットがあります。

サークルタイプは、広さの調節ができるようになっているのが特徴です。そのため、室内飼いの場合はトイレを設置したり、休む場所を設けたりすることができます。そして、組み立てが簡単なので、庭や公園などの屋外で使うことができ、大変便利です。

著者は、大型犬を飼っているためサークルは子犬の時のみ使用しています。出先で遊ばせるときなど、これがあるだけでかなり違います。どこかへ行ってしまう心配がありませんし、サービスエリアなどで休憩をさせたいときなどにも十分使えます。

サークルは屋根がありませんので、外出や遊ばせる用という捉え方や使い方でもいいでしょう。1つあると、本当に便利です。

ケージ

ケージは、サークルに天井の付いたタイプです。サークル内でピョンピョン跳ねる癖のある犬は、この屋根付きタイプがおすすめです。

二本足立ちでピョンピョン跳ねる癖があると、椎間板ヘルニアなどになってしまう恐れが非常に高いため、予防のためにもこの屋根付きタイプがおすすめできるのです。

上下左右すべてが囲まれているため、犬も安心して休むことができますし、万が一頭上からの落下物があったとしても事故を防ぐことができます。

ケージタイプは屋根がありますので、愛犬がゆっくり休めるようになっているのが特徴です。室内犬というより外で飼っている犬用というイメージがありますが、室内でも大活躍してくれます。トイレのしつけをすることもできますし、来客時などに入ってもらうことができるからです。

また、ケージタイプは折りたたんで持ち運びができます。旅行などで乗り物に乗るときなどにも活躍します。

収納に便利な折りたたみ式のケージもあります。飼育環境に合わせて上手く利用しましょう。

クレートタイプ

どちらかというと、ケージタイプに近いのがクレートタイプです。クレートタイプとは、周りがすべて壁で覆われているものです。保温性がありますので、寒い地域で飼っている犬や、外で飼っているような場合に役立ちます。

移動用に使う飼い主さんが多いようですが、視界がある程度あった方がいいかもしれません。クレートタイプは、四方が壁になって視界が制限されています。そのため、お産をする子には向いていると感じています

著者宅では、大型犬用のものを所有していて、もっぱら出産用に使っています。視界が狭いことで安心感を得られるようで、出産間近になると、自ら入っていきますよ。

それ以外には、災害時の避難用にしています。災害時は、視界が開けていると犬も安心できないようです。震災の際に避難所に行ったらケージタイプでは落ち着かないようで、中でグルグル回ったり、不安を感じ鳴いたりしていました。

個々によって違うと思いますが、うちでは視界の狭い方が安心できたように思います。

屋外向けサークル

一昔前であれば、屋外飼育といえば犬小屋が主流でしたが、現在では犬舎タイプの屋外用サークルが人気です。犬小屋部分とサークル分に分かれているのが特徴で、通常の犬小屋に比べて犬のストレスが少なくて済むという利点があります。

ただし、屋内に設置するため、素材そのものの劣化も早めです。塗装が剥がれたり、錆が目立ったりしますから、その部分を犬が舐めたりするのはあまり良いこととは言えません。

また、木製のものは犬のニオイが染み込んでしまうこともありますし、木をかじって脱走してしまうこともあります。

屋外用に関しては、多少高価になってしまいますが、丈夫で錆びにくいステンレス製のものを選んでおく方がおすすめです。

室内・屋外兼用のプレイサークル

室内・屋外問わず設置できる兼用のプレイサークルもあります。

犬のケージやサークル選びの注意点

ケージやサークル選びの注意点

用途に合わせてケージやサークルを選ぶことは大事ですが、いくつかの注意点も知っておきましょう。

  • 素材の劣化に注意する
  • 衛生管理を怠らない
  • 犬の体型に合った広さのものを選ぶ
  • ケージやサークルの位置を頻繁に移動しない

素材の劣化による健康被害

屋外であれば風雨に晒されて素材の劣化を招きやすいですし、屋内であっても犬が舐めたりすることで錆が発生したりすることもあります。剥がれ落ちた素材などを犬が誤飲したり、錆びた部分を舐めたりするのは健康によくありませんので、早めに交換するなどの対処が必要です。

衛生管理の徹底

ケージやサークル内は犬のお部屋です。トイレなどの影響もありますから、衛生面でも気を遣ってあげたいところです。長期間使用していれば汚れやニオイも目立ってくるので、時間のあるときは洗浄したりして清潔な環境を整えてあげることが大切です。

衛生環境の悪いケージやサークルで過ごしていると、被毛や皮膚にも悪影響を及ぼします。ケージの中には、床面がトレー状になっていて掃除しやすいタイプのものもありますので、そうしたタイプを使用するのもおすすめです。

また、掃除がしやすいという点にも着目して選ぶことが大切です。移動が簡単にできるものであったり、軽いものだったりするようなものであればよいかと思います。

犬に体型に合ったタイプを選ぶ

犬に体型に合ったタイプを選ぶ

これは言わずもがなですが、大型犬なのに小型犬用のケージやサークルを使用するのはNGです。あまりに窮屈では犬もゆったりと休むことができませんし、逆にストレスになります。

また、その逆もあります。体型に対してあまりにも広すぎると、落ち着かずにストレスを抱える要因になります。ケージやサークルにも大型犬用~小型犬用まで様々ありますから、犬の体型に合ったものを選びましょう。

ケージやサークルなどを選ぶ場合は、愛犬の身体の大きさに注目しましょう。犬の住処は、穴蔵のようなところです。あまりにも広すぎると、かえって落ち着かないということになってしまいます。

愛犬が身体の向きを変えられる程度の広さで良いのです。これを基本と考えましょう。トイレを設置したいと考える場合は、そのスペースがあってもいいかと思います。

位置を頻繁に移動しない

いくらケージやサークルが犬の落ち着ける場所だとしても、位置を頻繁に移動するのはおすすめできません。もちろん、ケージやサークルそのものを撤去してしまうよりはマシですが、年中あちらこちらに移動させられるというのも犬にとってはストレスです。

犬は、ちょっとした環境の変化にも敏感ですから、移動には気を遣う必要があります。

ケージやサークルをDIYする方法も!

ケージやサークルをDIYする方法も!

「インテリアに合わない」、「ちょうど良い大きさがない」などの場合、飼い主さんがDIYするという方法もアリではないかと思います。

売られている物が木製であったり、組み立てるのが大変だったりという場合は、その時点で苦労を感じてしまいますよね。このような時もDIYだと、作りやすいのではないかと思います。

たとえば、サークルは100均のステンレス製のワイヤーネットとジョイントできる部品、結束バンドがあれば作ることができます。

床部分には、100均のクッション素材の連結できるものを敷けば問題ありません。床を傷つけることがなくなりますので、安心して置くことができます。組み立てが簡単な上に、リーズナブルで好みの大きさに作ることができます。

ケージは、スチールラックなどに天板を組み合わせることで作ることができます。サークルの上などは愛犬グッズを置くことも可能です。

ミニチュアダックスを飼っている友人は、気に入ったケージがないからと、DIYで作っていました。ホームセンターで売られている大きめのワイヤーネットと100均のワイヤーネットをいくつか組み合わせて作っていました。意外と丈夫で、数年間使っていますが、まだまだ使えそうです。

飼い主さんが、自宅と愛犬に合うようにDIYしてみてはどうでしょうか。

トイレのしつけはサークルやケージで!

散歩の時にトイレを済ませるように教えることが基本です。しかし、子犬の頃や体調不良時、高齢になってしまったなどの場合は、どうしても間に合わないなんてことも考えられます(高齢の場合はおむつをするかもしれませんが…)。

ペット用シートに慣れておかないと、家のあちこちでされてしまうといったことになりかねません。飼い主さんにとっては大事ですよね。ニオイなんかはなかなか取れないので大変です。そのようなことを想定して、サークルやケージの中にトイレスペースを設けるようにします。

ペット用シートがあれば、そこでするようにしつけることができます。やり方は、

  1. ペット用シートをサークル・ケージ内に設置
  2. ペット用シートに誘導(そわそわし始めたら)
  3. 排泄がしやすいように座らせる
  4. 排泄が上手くできたらほめる

という4つのステップを何度か繰り返していくと、ペット用シートでするようになります。できるたびにほめてあげてください。でも、なるべく散歩の時にトイレを済ませるように促しましょう。ペット用シートに慣れさせておけば、万が一の時にとても楽です。

まとめ

ケージやサークルのデザインも色々あります。見た目がオシャレなものから、単純に”檻”のようなものまで様々ですが、そのケージやサークルの持つ意味は同じです。

中には、トイレ部分と食事部分とが分けられたタイプや、出先でも使用できる簡易タイプのものもあります。どのようなタイプを選ぶかは飼い主さんの自由。愛犬が不自由しないよう、機能的なものを選びたいですね。

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