もともとブルドッグを改良してフランスにおいて闘犬として飼育されてきた歴史を持つフレンチ・ブルドッグ。現在ではそんな闘犬時代の面影すら感じられないほど愛らしいキャラクターの代表格とも呼べる存在になっていますよね。
もちろん、闘犬時代からさらに改良を加えられて現在のようなフレンチ・ブルドッグという犬種が定着したのですが、その基本性格から特徴などについて以下に説明していきます。
うっかりすると間違いやすい!?ボストン・テリアとの違いは?
犬に詳しくない人から見ると、フレンチ・ブルドッグとボストン・テリアは非常に似ていると言われています。パグとも何となく似てますよね。確かに、パッと見た感じでは分かりにくいのも確かですね。
分かりやすい見分け方としては、ずんぐり体型がフレンチ・ブルドッグ、脚がスラッとしているのがボストン・テリアとなります。
また、フレンチ・ブルドッグの耳先は丸みを帯びていますが、ボストン・テリアの耳先はやや尖った印象があります。フレンチ・ブルドッグとボストン・テリアは、体型と耳で大抵は見分けがつきます。
フレンチ・ブルドッグの性格
フレンチ・ブルドッグの基本的な性格は、愛玩犬として改良されてきた歴史もあり、飼い主には温厚で陽気な性格を併せ持っています。飼い主にさえ懐いてしまえば、比較的飼いやすい犬種であることは間違いありません。
ただし、それも”飼い主に対して”という前提条件が付帯します。逆に、飼い主以外にはちょっと神経質な一面を垣間見せることもあります。臆病になってしまうというよりも、警戒心を抱いてしまうという方が合っているかもしれません。
いずれにしても、見慣れない人に無暗に近付けると、攻撃的な一面を見せることもあるので注意しましょう。とはいえ、例えばお散歩時やドッグランなどの施設で、頻繁に人や他の犬と出会っていれば、そうした環境になれてしまうこともあります。
フレンチ・ブルドッグでもとても愛嬌抜群でフレンドリーな犬に出会うこともありますが、それもそうした飼育環境による影響も大きいと言えるでしょう。もちろん、本質的には若干の警戒心を抱きやすい犬種なので、番犬的な意味合いで飼育する場合にも向いている犬種です。
フレンチ・ブルドッグのしつけ方は?
フレンチ・ブルドッグは、その風貌からは想像もできないほど、聡明さを備えた犬種です。先ほど、番犬にも向いていると説明しましたが、それもあくまでフレンチ・ブルドッグの警戒心を利用したものであって、飼い主には温厚ですから、しつけ自体も難しい犬種ではありません。
ただし、結構な甘えん坊でもあるので、厳しくしつけすぎるのは避けた方がいいでしょう。短時間でしつけを教え、しっかり褒めてあげることを忘れなければ自然にしつけも覚えてくれます。「飼い主大好き!」な性格なので、とにかく飼い主が喜んでくれることを自分の喜びとしているくらいの犬種です。
遊ぶ時は遊ぶ、甘えさせる時は甘えさせる、しつける時はしつける――というメリハリを持った行動をすることが大切です。また、飼い主の表情からもある程度は読み取ってくれますが、指示を出す際は必ず同じ言葉を用いることも必要です。
これは他の犬種でも同じことですが、お座りでも、「座れ!」と言ったり、「シット!」と言ったり、指示を出すたびに言葉が異なってしまうのは混乱を生むだけです。明確な指示を出せるようにするためにも、言葉は常に同じ単語を用いましょう。
できないからと怒ってはいけません!
フレンチ・ブルドッグの性格を考えれば、しつけがなかなかできないからといって怒ってしまうことだけは避けたいものです。また、いつまでもダラダラと長時間続けるのもNGです。短時間で教え、できなければまた時間を空けてからしつけるようにし、できなくても怒らないことが第一条件です。
逆に、できたら目一杯褒めることは絶対に欠かしてはいけません。とにかく辛抱強く、根気を据えてしつけに取り組むことが大切です。もちろん、なるべくであれば、しつけをするタイミングは早いに越したことはありません。
まだまだ子犬の時期であれば話は別ですが、ある程度成犬になってきた段階で、しつけを覚えさせるのが効果的です。
お散歩のしつけも大切!結構力があります!
また、体は小さいけれど力が強いのもフレンチ・ブルドッグの特徴です。お散歩時などはその力でグイグイ引っ張られないように注意することも重要です。
リードを握る飼い主が主導権を握っておくようにしておかないと、いざという時にコントロールが効かなくなる恐れもあります。
愛玩犬とはいえ元は闘犬です。そうした習性も完全に失っているわけではありませんので、突然他の犬や人に襲い掛かってしまう危険性もあるということは知っておいてください。
基本的には陽気で穏やかなので、それほど大きく心配する必要はありませんが、一度キレたら収拾がつかなくなるケースも少なからずありますので、その点だけは意識してしつけておいた方が確実です。
お散歩時はリードを短めに持つことも意識しておきましょう。
暑さに注意!フレンチ・ブルドッグの健康管理
もともと暑さにはめっぽう弱いフレンチ・ブルドッグですが、それに加えて体高も低いため、地面の熱を直接浴びてしまうことになります。従って、お散歩の際は暑い時間帯を避けて、夏場などは涼しい時間を選択しましょう。
もちろん、夏場の室内温度にも気を配る必要があることは言うまでもありません。それほど多くの運動量は必要ないと言われているフレンチ・ブルドッグではありますが、ストレス発散のためにも30分程度を目安に散歩をさせてあげるのは健康管理の面でも大切です。
まとめ
フレンチ・ブルドッグは賢くて聡明な犬種です。その上、明朗活発な犬種なので、飼い主としても飼育が楽しくなってしまうほどです。やんちゃな性格の子も多いので、その分、やや手を焼いてしまう飼い主さんも多いようですね。
しかし、「手を焼く子ほど可愛い」とも言いますから、そこはフレンチ・ブルドッグ特有のおちゃめな一面ということで済ませてあげましょう。
若干やんちゃなくらいが、健康であることの証明にもなるわけですから、”健康の指針”として、自身の愛犬の基本性格を理解しておくのもおすすめです。