犬の認知症の症状は?愛犬の様子がおかしい場合はよく観察して対処して!

犬の認知症の症状は?愛犬の様子がおかしい場合はよく観察して対処!

犬の平均寿命は年々伸び続け、現在では人間と同様に高齢化の波が押し寄せています。大型犬では平均13歳ほど、小型犬では平均17歳ほどまで生きるのが当たり前の時代になり、人間の年齢に換算すれば80歳前後まで生きる犬も増えています。

高齢になれば怪我もしやすくなったり、病気にもかかりやすくなったり、また、聴力も衰えれば視力も衰えていきますので、これまでの生活に支障をきたすような変化が訪れます。

愛犬も高齢になるにつれて、様々な不安要素が生まれてしまうわけですね。そして、そんな不安要素のひとつが認知症です。犬も人間と同様に認知症を患うことがあり、飼い主はそれに向き合っていかなければならなくなります。

これも高齢化の波――と簡単に片づけられないのが認知症の存在。ここでは、認知症の症状や、いざ愛犬が認知症にかかったときの対処法などについてお話していきます。

犬の認知症

犬の認知症は症状から分かる!

犬も高齢になりますと、認知症を発症してしまうことがあります。犬の高齢期は7歳くらいからと言われていますので、この時期に入りましたら、いつもと違う様子を見せていないかなど、注意して見ておく必要があります。

なりやすい犬種は?

認知症になりやすい犬種があり、柴犬・秋田犬といった日本犬が該当します。はっきりした理由や原因は、現段階ではわかっていません。ゴールデンレトリバーやチワワといった洋犬は、認知症にかかるケースが少ない傾向にあるようです。

著者は、何年も秋田犬を10匹以上飼っていましたが、認知症になる子は1匹もいませんでした。しかし、友人宅の柴犬は認知症にかかりました。日本犬は認知症になりやすいというだけで、必ずしもかかるというわけではないようです。

発症しやすい年齢

高齢期に入ってすぐに認知症になるというわけではないようです。一般的には、10歳~13歳くらいの間に発症する子が出てきます。そこから、年齢を重ねるごとに増加傾向にあると覚えておきましょう。柴犬などの日本犬を飼っている場合は特に注意です。

友人宅の柴犬は11歳で発症しています。異変に気づいたきっかけは「名前を呼んでも寄ってこない」ことだったそうです。その後、飼い主さんにも吠えるようになったため、受診をしたと話していました。

もしかして認知症の症状かも?犬の行動に現れる変化

もしかして認知症の症状かも?犬の行動に現れる変化

犬の認知症の症状は、人間の場合とそれほど大きな違いはありません。傍目から見たら、「何をやってるんだろう?」という行動が多く目立つようになります。その代表例が徘徊のような行動です。

愛犬に認知症の症状が見られたら、まずは獣医の診断を仰ぐことからがスタートです。様々な症状に対して、薬で対応できる場合もあるからです。その上で、飼い主にもできる対処法を知っておくことが必要です。

認知症になったら、次のような症状が現れます。

  • 歩き続ける(徘徊・目的もなしにひたすら歩く・前に進もうとする)
  • 理解力・認識力の低下(名前を呼んでも反応しない・今までできたことができなくなる)
  • 昼と夜の逆転現象(昼間は寝てばかりいる・夜になると起き鳴くなどして寝ない)
  • とにかく吠える(人がいてもいなくても吠える・攻撃的に吠えることも)
  • 食欲が異常(食べたのにまた欲しがる・与えるだけ食べる)

などがあります。今までできていたことができなくなることで、飼い主さんが気づかれるケースが多いようです。しつけをしていたはずなのにできない(トイレ問題など)となったら、認知症だけでなくケガや病気などがあるかもしれません。

以下、認知症の症状と対処法を確認しておきましょう。「いつもと違う」と感じたら、動物病院へ受診することをおすすめします。その際には、異変がいつからなのかなどしっかり説明しましょう。

歩き続ける

歩き続ける

室内犬であればとにかく同じところをくるくると円を描くように歩くという行動が目に付きます。認知症ですので、この行動をすること自体に何の目的があるわけでもなく、症状が酷ければ、何時間もずっと歩き続けることがあります。

ただし、認知症の犬は前に進むことしかできません。障害物にぶつかると、後ろへ下がるということができないのです。物にぶつかっても関係なく歩き続けるため、ケガをしてしまうこともあるようです。歩くことをやめさせることは簡単ですが、歩きたい一心で吠え続けることも珍しくありません。

このような状態になったら、1匹にしておくのは危ないと考えた方がいいでしょう。ゲージに入れっぱなしにすると暴れたり吠えたりと威嚇するような行動に出ることがありますので要注意です。

また、愛犬を散歩に連れて行っても、一点を見つめるような感じで、ぼーっと歩くような様子を見られることがあります。何と言いますか、視点が合っていないような感じです。

対処法

昼間に散歩に連れて行っても、歩き回ることをやめない子もいます。また、昼間に寝ていて夜に徘徊する子もいます。徘徊を無理に止めさせることは難しいですし、今度は吠えるなど違う行動に出ますので、なるべく日中起こしておいて、ドッグランなどで様子を見ながら運動させたり散歩に連れ出したりしましょう。

大切なのは、運動をさせて日光に当てるなどして、昼と夜のバランスを崩さないようにすることです。夜の徘徊をしないようにさせることが、飼い主さんの心身的な疲れを溜めないようにすることに繋がります。

行動を無理矢理やめさせても、それが気に入らずにずっと吠え続けたりしますので、閉じ込めたりすることは逆効果です。できれば思う存分歩かせてあげることが必要ですが、それでは障害物などの危険もあります。

その場合、柔らかい素材で囲ったサークルを作ってあげるのも有効な方法のひとつです。犬はサークルに沿ってひたすら歩くことができますし、周りも柔らかい素材なので怪我の心配もありません。歩き疲れてしまえば勝手に眠ってしまうこともしばしばですので、とにかく歩かせることを優先させましょう。

理解力・認識力の低下

理解力・認識力の低下

認知症の症状の中で最も悲しいのは、名前を呼んでも反応しなかったり、今までできたことができなくなったりすることではないでしょうか。

人間の認知症でもよく見られる症状ですが、これまで普通にできていたことができなくなったり、相手が誰なのか認識できないという、理解力や認識力の低下が顕著になります。犬であれば、飼い主の指示に従えなくなる・しつけていたことができなくなる・飼い主を判別できなくなる・トイレができなくなる――といったようなことが現れます。

認知症を発症する前の状態が記憶に強く残ってしまって、今の状態を受け入れることができないこともあるようです。トイレなど排泄ができなくなってしまうことはやむを得ないことですが、衛生的な問題もはらんできますので、衛生環境に配慮する必要が生じます。

対処法

できなくなってしまったことに対して叱るようなことをせずに、愛犬の新しい個性として受け止めるように、飼い主さんが気持ちの切り替えをすることが必要です。気持ちを切り替える部分というのは本当に大変なことです。しかし、愛犬が変わってしまったように感じるのであれば、受け入れることがしっくりくる解決法だと思います。

この症状でもっとも深刻なのが排泄です。消臭・殺菌の徹底はもちろんですが、あまりにも症状が酷い場合には犬用のおむつを使うことも視野に入れておきましょう。

昼と夜の逆転現象

昼と夜の逆転現象

昼と夜を認識できなくなるという症状も認知症特有の症状で、これも人間の認知症も同じですよね。日中はおとなしく寝ているのに、夜になると急に活動的になって吠えたり動きまわったりするようになります。

そんな愛犬を無視するわけにもいかず、飼い主としてはストレスもMAX状態となってしまいかねません。

対処法

この症状は、昼と夜が逆転しているだけですので、まずは日中になるべく寝かさないようにするのが一番です。昼夜の逆転は飼い主さんの心身のバランスが崩れてしまう原因となります。

できるだけ起きているようにし、日光を浴びるなど体内時計を元に戻すように努めましょう。お風呂に入れたり、おもちゃで遊んだり、ドッグランに連れて行ったりと、刺激になることを与えるようにしましょう。

食欲が異常

食欲が異常

これも人間の認知症と同様に、よく見られる症状のひとつです。餌をあげたのにすぐにまた要求してきたりする症状で、本人は食べたことをすっかり忘れています。認知症によって満腹中枢に異常をきたすことが原因で、もはや過食を通り越して暴食といった状態になってしまいます。

ただ欲しがるままにエサを与えてしまうと、肥満になってしまいます。それに、「食欲が旺盛」以外の症状がないかも見てあげてください。例えば、下痢や嘔吐などの内科系の異常です。いずれの場合も食欲が異常だと感じる場合は、早い段階で動物病院への受診をします。

対処法

この場合、少しくらい食べる量が増えてしまっても仕方ないと諦めることも必要ですが、かといって与え過ぎも危険です。欲しがるままに与えてしまうことは止めましょう。肥満になってしまえば、他の病気を誘発してしまう可能性が高くなるからです。

いつも1日2回与えている食事回数を少し増やして対応するのが効果的です。つまり、1回の食事量を減らし、トータルで1日分の給餌量を与えるように工夫することで対応できます。

食べたいという気持ちがストレスとなり、問題行動(ゴミ漁りなど)を起こさせないためにも必要な対処法です。

とにかく吠える

とにかく吠える

何の理由もなく吠え続ける行動も認知症の代表的な症状のひとつです。一度吠えだしたらどんなになだめても吠え続けることがあるため、対応に苦慮する飼い主さんも多くいます。

友人宅でも飼い犬(柴犬・オス・当時11歳)が吠えていました。近所から苦情が入るなど大変だったと話していました。「なぜ吠えているのか理由がわからないことがとてもつらかった」と言っていたのを覚えています。

この子は外飼いだったのですが、近所のことを考え、室内飼いにしたそうです。しかし、環境が変わっても吠え続けて、友人の方が参っている状態でした。犬が認知症になっても、何かしらを訴えているかもしれませんので、様子を見てあげましょう。

  • 病気やケガで痛みがある
  • 不安感がある
  • 飼い主さんにそばにいてほしい
  • 体が思うように動かない

など、何らかの理由があるかもしれません。

対処法

真夜中にずっと吠え続けられるのも飼い主としてはたまらなくストレスを抱える原因になってしまいます。吠えることに原因があるのであれば、その原因を除去すれば吠えなくなることもありますが、何の原因もないのに吠えだしてしまった場合は獣医へ相談するのがもっとも近道です。

サプリメントが効果を示すこともありますが、鎮静剤の処方で対応してくれる獣医もいます。また、体の異常がないかを見てあげることが必要です。飼い主さんがそばにいて、撫でてあげることで鳴き止むこともあるそうです(友人談)。

ただ、それでも鳴き止まないでひどくなるようでしたら、老犬ホームなどの施設にお願いすることを考えなければなりません。

犬の吠える声は、近隣住民にとっては怖いものですし、トラブルの元となってしまいます。苦情などが出てしまうと対応が難しくなるでしょう。そのための対策の1つとして、老犬ホームなどの施設を選択肢に入れることも必要です。

こちらの記事で老犬の介護や老犬ホームについて詳しく紹介しているので参考にしてみて下さい。

愛犬の認知症は1人で抱え込まないで

愛犬の認知症は1人で抱え込まないで

愛犬が認知症と診断されたら、飼い主さんにとっては相当なショックだと思います。さまざまな症状が出ますし、声をかけても反応しなくなるなど、今まで愛犬とはまったく違う子がいるような感じさえしてくるでしょう。

問題行動(吠え・威嚇など)が起きたり、トイレができなくなったりといったことが起きますと、飼い主さんが心身共に疲れを感じてしまうことでしょう。仕事後に帰宅しても認知症の愛犬の世話をしながらでは飼い主さんが疲労困憊してしまいます。(友人から話を聞いていましたのでかなりつらいようです…)飼い主さんの生活が成り立たなくなってしまうことが問題ですよね。

病院で、投薬などで症状を悪化させないようにすることはできるようです。だから、認知症の症状をうまくコントロールできるようになるでしょう。

ただ、今までできたことができなくなりますし、問題行動が増えるために負担が増えることには変わりありません。ですから、周囲の協力はどうしても必要になります。何でも飼い主さんが1人で抱え込んでしまうことが多いようですが、「周囲に助けを求める」ことを選択肢に入れておくことは必要です。

動物病院で相談をして、施設を紹介してもらったり、家族からの協力を得たりしましょう。心配事は相談できる家族や友人、カウンセラーを頼ってもいいと思います。

人間の介護と同様、犬の介護も1人で抱え込むことは難しいのです。最初は「1人でやれる」と思っても、無理が生じてきて、いずれは介護する側が疲れて共倒れしてしまう可能性が高いです。

大切なのは、介護環境と支えてくれる人や施設を整え、飼い主さんにも愛犬にも無理がない状態で日常が送れるようにすることです。

まとめ|認知症の予防にも努めましょう

まとめ|認知症の予防にも努めましょう

認知症は、予防することで症状の進行を遅らせたりすることが可能です。もっとも効果のある予防法は、「刺激」です。散歩や遊びなど、愛犬の好奇心を刺激してあげることが認知症予防には必要です。

毎日あまりかまってあげることもせず、退屈ばかりさせているのは犬の脳にとってもあまり良いことではありません。また、DHAやEPAといったサプリメントを活用するのも、認知症予防にある程度の効果があると言われます。

認知症になりやすい犬種として知られているのは日本犬です。なぜ日本犬にだけ認知症の症状が多く見られるのかは謎ですが、特に柴犬は認知症が現れやすいと言われます。

とはいえ、日本犬以外の犬種でも認知症にかかる可能性がゼロというわけではありませんので、いざという時の心構えは必要です。ここで挙げた症状や対処法を参考に、ぜひ愛犬の認知症リスクについても意識を向けてみてください。

犬の健康管理(病気・怪我)
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