愛犬の皮膚からポロポロと大量のフケが出る!考えられる原因と対処法

愛犬の皮膚からポロポロと大量のフケが出る!考えられる原因と対処法

愛犬の被毛が粉を吹いていることってありませんか?それはもしかしたらフケかもしれません。犬は意外とフケが出ることを知っているのは恐らくすでに犬を飼っている人でしょう。

これから犬を飼おうと思っている人は、恐らくフケのことを意識していないのではないかと思います。人間のフケにも原因があるように、犬のフケにも様々な原因があります。いざという時に慌てないためにも、犬のフケについても知っておきましょう。

犬のフケは体の代謝に伴うもの

人間のフケもそうですが、犬のフケも体の新陳代謝に伴う老廃物です。そのため、基本的には「フケが出て当たり前」でもあるわけですね。しかし、普段はあまり目立たなかったのに、最近妙にフケが目立ってきた…という場合は、代謝以外にも何らかの原因が考えられます。

犬の皮膚のターンオーバー(新陳代謝)は、平均して約3週間と言われています。サイクルがくると、一番上に押し出された角質が剥がれてフケとなります。ではなぜ、フケが目に見えて出てこないのでしょう。

皮膚が健康な場合は、出てくるフケ(角質)は少ないです。そこに皮膚の表面にいる常在菌によって分解されてしまうためにひと目見てわかるような「フケが出ている!」という状態にはならないのです。

フケとして目に見えてしまうのは、何らかの原因でターンオーバーのサイクルが乱れてしまうからです。ターンオーバーのサイクルが早くなってしまう異常角化が起きてしまうと、常在菌で処理できる量を超えてしまいます。だから目立ってしまうのです。

この「何らかの原因」は、病気だったりストレスだったりと個々で違います。

犬のフケの種類と原因

犬のフケの種類と原因

フケにも種類があることを知っていますでしょうか。フケ=カサカサしたものだけではありません。基本的に2つの種類があります。

  • 乾性フケ:白くて乾いた状態のカサカサしたフケ
  • 脂性フケ:脂っこくて湿り気のある状態でニオイがあるフケ

一般的に多く見られるのは、乾性フケだと思います(人間でも出ますから、よく目にしますね)。しかし、フケが出てしまう原因によって変わってきます。

皮膚病

大量の乾性フケは、ダニによるものであったりアトピー性皮膚炎であったりと原因は多岐にわたっています

一方脂性フケの場合は、アトピー性皮膚炎(乾性フケの場合もあります)や脂漏性皮膚炎が疑われます。ベタつきがありますので異常に気がつきやすいとも言えます。

著者の愛犬(当時13歳:オス)も夏にこの「脂漏性皮膚炎」と診断されたことがありました。最初に感じたのは、くさいニオイです。側の行かなくても臭っていたので、おかしいと思っていました。

そのうちにフケというか、毛がべたついた感じがして、タオルで拭いたところ、白っぽいベタベタしたものが付いてきました。最初はフケだと気がつきませんでした。ダニなどの寄生虫か、ゴミ類かと思ったくらいです。

汗をかいているのかと思ったのですが、独特なニオイとベタつきが変だと思い、動物病院へ電話をしたところ、もしかしたら皮膚炎かもということで、あわてて受診をしたのです。

カビ

カビは、家の中でも湿気の多い場所にいます。問題なのはこのカビではありません。土に繁殖するカビの一種が、フケの原因になることがあるのです。

土からカビに感染すると「皮膚糸状菌症」にかかります。特徴は、フケと円形脱毛です。かゆみはさほどないようですが、人にもうつりますので飼い主さんも注意が必要です。

感染は、土だけでなく、他の動物からということもありますので、ドッグランや散歩などでの接触も注意した方がいいでしょう。フケや脱毛が見られたら、すぐに動物病院への受診が必要です。

外で飼っている場合は、カビが繁殖する時期などに注意しましょう。

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間違ったシャンプー

健康な子にはフケはほとんど出ることがないものです。シャンプーなどで皮膚の状態を悪くさせてしまってないか、逆に乾燥させていないかなどブラッシングの時にチェックしてあげるようにしましょう。

フケが見られても、少量であればそれほど心配することはありません。しかし、ニオイがしたり日に日に増えてきたりというような、普通と違うものが感じられたら、動物病院への受診をおすすめします。脱毛やかゆがるような場合も同様です。

アトピーや皮膚炎などの疾患にかかっている場合は、獣医の力を借りなければなりません。早期発見で早期治療が、愛犬を守り、悪化させないことに繋がります。

飼い主ができる愛犬のフケ対策

飼い主ができる愛犬のフケ対策

これまでの中で、「フケの原因は、病気だけではない」ということがお分かりいただけたと思います。病気の場合であれば、動物病院への受診が何より先になります。それ以外の場合は、生活環境を整えることでフケ対策が可能です。

実際に実践したことや飼い主仲間からの情報を元にまとめてみました。

  • 皮膚の状態は日々チェックする(ブラッシングの時にできます)
  • シャンプーを頻繁に行いすぎないこと(夏場:月2回程度、冬場:月1回程度)
  • シャンプー剤は愛犬に合っているものか、低刺激のものを使う
  • すすぎは念入りにして、皮膚も一緒に乾かすようにする
  • 総合栄養食が体に合っているかをよく見ておく
  • 散歩などでダニやノミのいそうなところは避けるようにする
  • 湿気の多い時期は、土に繁殖するカビにも注意する
  • ストレスを与えないように生活を整える(散歩・食事・音など)

日常生活の中にはストレス因になることや、体質に合わないものなどさまざまあります。ストレスにおいては、人間でもしんどい思いをしたり体調不良を引き起こしたりするのですから、犬も同じと考えましょう。しゃべることができない分、身体に出やすいです。

飼い主さんがちょっと気をつけるだけで、フケ対策になることがあるということを知っておいて欲しいと思います。

被毛のお手入れはしっかりと!

被毛のお手入れはしっかりと!

皮膚トラブルやフケの防止で大切なポイントとしては、やはり日常的なお手入れです。また、1年間を通して愛犬を観察していると、どの時期に最も肌荒れ等の皮膚トラブルを引き起こしやすいのかも分かるようになります。

そうしたタイミグを狙って化粧水などでケアしてあげるのもいいですし、シャンプーなどのついでに定期的なケアをしてあげるのもいいでしょう。

日常的なお手入れと言えば、ブラッシングですよね。少なくとも、お散歩やお出掛け先から帰ってきたときは、ブラッシングを習慣化しておくことが必要です。

もちろん、お散歩中に水遊びをして楽しむ犬もいるでしょうし、草むらに飛び込んではしゃぐ犬もいるでしょう。それはそれで大いに結構なことではありますが、その後のケアをしっかりしていないとフケの原因になる場合もあるのです。

ブラッシングして汚れを落とすことも必要ですし、被毛が濡れているならしっかりと乾燥させなければいけません。

シャンプーはしっかり洗い流すこと!

シャンプーはしっかり洗い流すこと!

愛犬のフケが目立ってきた場合、まず考えられるのはシャンプーがしっかりと流し切れていないケース。たまに、「良い香りがするから」という理由で、満足にすすぎを行わない飼い主さんもいらっしゃいますが、それがフケの原因になってしまいます。

シャンプーというのは確かに衛生的ですが、すすぎが足りないと思わぬ皮膚トラブルの要因になってしまうのです。シャンプーは、しつこくすすぐくらいがちょうど良いとも言えるくらい、しっかりと洗い流すことが必要です。

シャンプーがフケの原因になることは前出した通りです。ただし、その際はすぐにフケが出るわけではありません。シャンプー後2~3日くらいで浮き上がるようにして出てきます。その後は増えていきますし、ニオイもしてくるため、すぐに気がつくと思います。シャンプーが合わなくて出ることもありますが、シャンプーが残っていてということも少なくありません。

著者も最初の頃は間違ったシャンプーのやり方をしてしまってフケが出てしまったことがあります。その時もフケがすぐに出たわけではありませんでした。最初に気がついたのは、ニオイです。何とも言えない独特なニオイ、はっきり言って臭かったです。「シャンプーをしたのになぜ?」と思っていました。

しかし、夏場であったこと、ドッグランに連れて行ったことなどさまざまありましたので、ニオイの変化を重視していませんでした。それから3日後くらいからフケが出てきたのです。

濡れた被毛はしっかりと乾かす

また、シャンプー後も満足に乾かさないでいると、雑菌等が繁殖してフケを誘発させます。シャンプーをするなら、しっかりすすいでしっかり乾かすことを徹底しましょう。

こんなシャンプーはNG

こんなシャンプーはNG

このようにシャンプー後もニオイなどに注意しておくことが大切です。初心者飼い主さんなどがやってしまいがちな失敗例を紹介します。

  • シャンプーを直接毛に付ける(泡立ててから泡を付けるようにするのが正解です)
  • ブラシなどを使って強く洗う(やり過ぎだと皮膚を傷つけてしまいます)
  • すすぎが十分ではない(下の被毛のところに残ってしまうことがありますので、十分に流してください)

犬を飼い始めの飼い主さんによく見られるのが、「すすぎが不十分」という失敗です(著者もやってしまい、フケが大量に出てしまいました…)。

すすぎは、これでもかというほどにしっかりやっておきましょう。毛をめくってぬめりや泡が立っていないかもチェックしてください。冬毛の場合は特にです。これを行うだけでも「シャンプーが原因でのフケ」ということが減ります。

シャンプー剤が犬の体質に合っていないこともあります

シャンプー剤が犬に合わない場合も、フケにつながります。その場合、アレルギーや皮膚の弱い犬でも使用できる薬用のシャンプーなどを使用するようにしましょう。そうしなければ、皮膚の状態もどんどん悪化してしまいますので、十分に気を遣ってあげることが大切です。

たくさんのシャンプーが販売されています。用途によって選ぶことが多いかと思いますが、犬の肌質に合うものを選ぶようにすることが大切です。健康な皮膚の状態でも合わないものを使えば、ダメージを与えてしまいます。初めてのシャンプーというのであればなおさら気をつけなければいけません。

ズバリ、低刺激のシャンプーや薬用シャンプーがおすすめです。どんなものが良いか分からない場合は、トリマーさんや獣医に相談してみましょう。フケの原因となることを少しでも遠ざけることができます。

シャンプーのし過ぎはダメ!

頻繁にシャンプーばかりしているというのも問題です。シャンプー自体、犬の皮膚にとっては刺激の強いものですし、洗いすぎると必要な皮脂まで取り除いてしまうことになります。

これは犬の皮膚にとっては致命的で、清潔にするどころか逆効果を招きかねません。犬のシャンプーは月に1回程度で十分ですし、多くても月に2回ほどまでが限度です。

シャンプーなどの外的要因のほかにも、ストレスが原因でフケを誘発してしまうこともあります。適度な運動や日光浴など、なるべくストレスを溜めない環境で飼育することも必要ですね。

粗悪な食事でフケが多くなることもあります!

粗悪な食事でフケが多くなることもあります

人間のフケでも、生活習慣を見直すことで改善が期待できると言われますが、それは犬もまったく同じです。生活習慣の代表的なものと言えば食事ですよね。食生活が乱れていれば、犬の健康にも悪い影響を与えますし、それが元でフケを誘発するケースも多々あります。

そして、犬の食生活で最も身近なものと言えばドッグフード。事実、粗悪なドッグフードやおやつによって皮膚トラブルを引き起こす犬が非常に多いのです。

フケが出過ぎるということは、やはりどこかしら皮膚に弱点を抱えている可能性があります。それはもしかしたらアレルギーかもしれませんし、アトピー性皮膚炎という可能性だってあります。

様々な皮膚トラブルの対策として最も身近な方法はやはり食事(ドッグフード)です。栄養バランスの偏った食事はもちろん、添加物や化学物質が含まれた食事を摂取していれば、必ずと言っていいほど皮膚に異常が現れます。ビタミンやミネラルが不足すると、皮膚トラブルも顕著になります。

少なくとも、そうした皮膚トラブルを抑えるのであれば、ドッグフードやおやつにもしっかりとこだわっておきたいところです。

原因不明のアレルギーで悩む犬がドッグフードを切り替えたら症状が緩和されるケースも非常に多く報告されています。原料や産地にまでこだわったフードを与えるタイミングは、早いに越したことはありません。

プレミアムフードやオーガニックフードなど、食事はとにかく一番注意を向けたいポイントです。

それだけで犬の健康を守れるのであれば、多少値が張ったとしても、安価で粗悪なフードを与えているよりも遥かに安上がりになることだってあるわけですね。

免疫力の低下にも注意

免疫力の低下にも注意

人間でも同じですが、免疫力が低下すると皮膚トラブルも起きやすくなります。もちろん、黄色ブドウ球菌やマラセチアが原因となる膿皮症や脂漏症といった症状も、免疫力の低下する時に発症しやすくなります。

季節の変わり目や、暑さが厳しく雑菌も繁殖しやすい夏季、運動不足などには十分に注意し、特に免疫力の落ちやすい老犬などは皮膚疾患にも気を配ってあげましょう。

もちろん、脂漏症などは別ですが、頻繁にシャンプーをしすぎたりするのもNGです。

湿疹など皮膚に異常が見られたらすぐに病院へ

湿疹など皮膚に異常が見られたらすぐに病院へ

フケが目立ってきた際、皮膚に発疹やかさぶたなどが見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう。疥癬やツメダニ症、脂漏症といった病気が原因でフケが目立ってしまうこともあります。

すぐに命に直結するというものでもありませんが、痒みによって犬も辛い思いをしますし、掻きむしった場所から何らかの感染症を引き起こす可能性もあります。傷口が化膿したことで重症化してしまうケースも少なくありません。

飼い主の自己判断は危険です。安易に見過ごすことはせず、早めに動物病院を受診するように心掛けましょう

本来であれば専門家である獣医の診察が必要になります。ただし、乾燥気味だったり症状が軽かったりするうちは、市販されている犬猫用の塗り薬を使って様子をみてもいいかと思います。

塗るタイプの軟膏からスプレータイプになっているものまで様々ありますので、症状に当てはまるものを選んでみましょう。乾燥などの場合は塗り薬ではなく、ワセリンなどがおすすめです。

また、患部を舐めてしまうことも少なくありませんので、その場合はエリザベスカラーなどを活用しましょう。塗り薬の注意書きには、「妊娠をしていなければ舐めても大丈夫」と記載のあるものもあります。だからといって、おやつのように舐めさせていいわけではありません。なるべく舐めないように注意してください。

まとめ

以上のように、犬のフケにも様々な要因があります。少なくとも、異様にフケが目立っていたり、頻繁に痒がったりしているなら何らかの疾病が関係している可能性が高いです。

そうした場合は、獣医による適切な処置も重要となりますので、看過して重症化する前に、早めの対策を講じるようにしましょう。飼育前にかかりつけ医を見つけておけば、迅速に対応することもでき安心です。

皮膚疾患は犬にも大きなストレスとなりますので、食事や衛生にもしっかりとこだわりつつ、日頃のケアも怠らないようにしたいものですね。

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