犬の出産を考える前に!犬同士の交配で最低限知っておくべき知識の3つとは?

犬の出産を考える前に!犬同士の交配で最低限知っておくべき知識とは?

大切な愛犬の血を引く子孫を残したいという飼い主さんも多いでしょう。そのためには交配相手も探さなければなりませんよね。

実は、交配の相手はお同じ犬種であればよいというものでもないということをご存知でしょうか?同一犬種であるということも大切な要素ですが、それよりも大切なのが色素の問題です。

また、小型犬であれば難産傾向にありますし、大型犬であれば出産する頭数も多くなる場合もあります。

愛犬の出産を考える前に、まずは解決しておくべきポイントもありますので、そうしたことを押さえておく必要もあります。

ここでは犬の出産のための事前準備についてお話を進めていきますね。

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色素の薄い犬同士の掛け合わせはNG

色素の薄い犬同士の掛け合わせはNG

色素と聞いてもイマイチよく理解できないという人も多いかと思いますが、その名のとおり「色の濃さ」ということになります。

ここではミニチュア・ダックスフンドを例に挙げてご説明しますね。同じミニチュア・ダックスであっても、鼻がレバー色の犬もいれば黒い犬もいますよね?また毛色にしてもゴールドもあればブラック&タンなどもあります。

色素の濃さで言えば、鼻が黒い色であることが良いということになりますし、毛色もブラック&タンが最も色素の濃い被毛となります。

現在、JKCでは、ホワイトやブラックという色のミニチュア・ダックスは認められていません。これは掛け合わせ的に良くないと判断されているからなのです。

従って、ミニチュア・ダックスで最も色素の濃い被毛はブラック&タンで、最も色素の薄い被毛はクリームということになります。

理想的には、「JKCで認められている被毛の色」「黒い目」「黒い鼻」「爪が黒い」といったようなポイントが、ミニチュア・ダックス選びに必要となります。

つまり、出産を考えるならまずは愛犬の色素が濃いのか薄いのかということを知ることが大事ですし、もし色素が薄いのであれば、交配相手は色素の濃い犬を選ばなければならないわけですね。

ここではミニチュア・ダックスを例に挙げていますが、ペットショップなどでは平気で青い目の子犬も販売されていますが、これは掛け合わせ的に問題のある証拠です。

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あってはならない話ですが、ホワイトで目が青いミニチュア・ダックスなど、もはや言語道断な掛け合わせをしていることになりますので、仕入れ先のブリーダーに問題があることになりますね。

もちろん、犬種によっては鼻の色が薄いものもあります。例えばラブラドール・レトリバーなどはその最たる例ですよね?

ラブラドール・レトリバーは子犬期こそ黒い鼻をしていますが、成犬になるとピンクがかった鼻の色に変わる個体が多いようです。

いずれにしても、ラブラドール・レトリバーのような犬種であっても、できるだけ子犬期の鼻の色が濃い犬を選ぶことは大切です。

色素が薄いとなぜいけないの?

色素が薄いとなぜいけないの?

色素が濃いということはメラニン色素が多いことの証明になります。人間でも黒人や黄色人種の目は黒やブラウンですが、白人には青い目の人も多いですよね。これもメラニン色素による影響で、白人はメラニン色素が少ないわけです。

では、メラニン色素が少ないとどうなってしまうのでしょうか?メラニン色素が少ないということは、メラニン細胞も少ないことを意味します。メラニン細胞は、簡単に言えば動物を紫外線から保護する役割をしている細胞です。

白人に日焼けによる皮膚ガンが多いのも、メラニン色素が少ないために皮膚の深部まで紫外線に冒されてしまうからと言われています。つまり紫外線に対するバリア機能が高いか低いかというのが、メラニン色素によって左右されているわけですね。

犬の場合も人間と同様で、色素の薄い犬は視力や聴覚に関する疾病が発生しやすくなりますし、皮膚も紫外線に対する抵抗力が弱くなってしまうのです。

ざっくりと分類すれば、「色素の濃い犬=健康」「色素の薄い犬=疾病リスクが高い」ということになるわけです。そのため、出産を考えるのであれば、愛犬と交配相手との色素の問題も考慮する必要があるわけですね。

先のミニチュア・ダックスの例で言えば、愛犬がクリームであればブラック&タンの被毛を持つ交配相手と掛け合わせるというような工夫が必要になってくるのです。

交配相手や出産は飼い主独断ではなく専門家と話し合って

交配相手や出産は飼い主独断ではなく専門家と話し合って

愛犬の子孫を残したい気持ちも分かりますが、上記のように色素の問題もありますし、愛犬の年齢や健康なども関係してきます。出産前にはブリーダーなど繁殖のプロに意見を聞きつつ、かかりつけの獣医にも相談してから決めるようにしましょう。

特に短頭犬種や小型犬は、場合によっては帝王切開でなければ出産できないことも多々ありますので、そうなると獣医立ち合いの下で出産した方が安全です。

また、出産によって生まれてくる子犬も1頭だけではありません。小型犬であれば4~5頭、大型犬であれば10頭前後に及ぶこともあります。

「すべて我が家で飼育する!」というのであれば構いませんが、さすがにそれだけの犬を飼うとなるとスペース的にも経済的にも負担が大きくなってしまいますから、子犬の貰い手なども探しておかなければいけません。

ただ出産させるというだけなら誰でもできますが、そこには大きな責任がかかってくることを重々承知しておきましょう。

生まれた子犬を無理して全て飼育したけれど、結果的にダメだった――ということにならないように、飼い主としての最大級の責任だけは意識しておきましょう。

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まとめ

犬の出産に関しては、以上の3つは必ず守っておきたいところですね。つまり、色素の問題や専門家への相談、そして子犬の貰い手の確保です。

これらをしっかりと行ってから、出産を考えるようにしてください。これは出産における最低限の基礎知識だと考えていただいても差し支えありません。

この「基礎中の基礎」に対しても検討の余地すらないのであれば、残念ながら安易な出産は考えるべきではありません。

自宅で出産をさせたにしても、いざ突発的なトラブルが生じてしまえば素人では解決できませんよね?そのためにも、ブリーダーや動物病院との連携は重要なポイントになってくるのです。

ヘタをすれば生まれてくる子犬だけでなく母犬の命にもかかわってしまうことですので、出産を考える前には十分に議論を重ねましょう。

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