今や愛犬と一緒にファッションを楽しむ人も増えています。犬のファッションと聞くと、洋服などが真っ先に頭に浮かびますが、愛犬のオシャレはそれだけではありません。例えばキャリーバッグ。動物病院に行く時などのお出掛け時に愛犬を入れるためのキャリーバッグも、飼い主のこだわりが光るファッションアイテムでもあります。
もちろん、ファッション性重視だけでなく、機能性を備えたキャリーバッグも人気です。ここではそんなキャリーバッグについて、シーン別のおすすめタイプなど、キャリーバッグ選びのポイントについてご紹介していきますね。
キャリーバッグは布タイプから樹脂タイプなど、種類はたくさん
犬用のキャリーバッグは、超小型犬用から超大型犬用まで様々な種類がラインナップされています。キャリーバッグというのはトロリーバッグとも呼ばれたりしますが、一般的には移動目的で荷物を入れるためのバッグという意味合いがあります。
つまり、犬用のキャリーバッグというのは、犬を入れて運ぶためのバッグということですね。犬用のキャリーバッグは、犬がバッグの中に入れられていても快適さを失わないような設計がされており、素材も布製のものから樹脂タイプのものなどがあります。
ちなみに、布性のものを『ソフトキャリー』。樹脂タイプのもの『ハードキャリー』と呼びます。布ソフトタイプのキャリーバッグは、犬が中から飛び出さないようにメッシュカバーなどが付いているものが多く、手持ち部分も長めに設計され、ショルダーに掛けて持ち運ぶことができます。
ハードタイプのもので代表的なものといえばいわゆる『バリケン』と呼ばれるボックスタイプのものですね。ソフトタイプの物に比べて衝撃に強く、犬にとっても安全というメリットがあります。「バリケンもキャリーバッグなの?」という意見もあるかもしれませんが、犬を入れて運ぶという定義で考えれば、バリケンもキャリーバッグのひとつと言えるでしょう。
キャリーバッグを選ぶ時のポイント
犬用のキャリーバッグは、先に述べたように大まかに分けると、布製(ソフト)とプラスチック製(ハード)の2つになります。どちらにしようかと悩まれる飼い主さんも多いでしょう。選び方を考えた時に、考慮しなければならない点は、『移動時間と犬の大きさ』だと思っています。
この2つは、中に入る愛犬の状態と持ち歩く飼い主さんの状態、周囲の状況を考えたときにいずれにも負担が少ないようにと考えるからです。
移動時間
乗り物を使っての移動などで1時間以上かかる場合は、プラスチック製がおすすめです。1時間以内の移動であれば、布製でもいいかと思います。
移動時間が長い場合、底面が本当に安定していないと犬が休むことができません。休めないということはストレスがかかるということです。それに飛行機や新幹線などの乗り物を使う時は、プラスチック製のキャリーバッグの方でないと預けることができないという点もあります。
それとは逆に移動時間が短い場合(例えばペットショップや受診など)は、布製でも問題はありません。気軽に使うことができますし、飼い主さんも負担にならないことが挙げられます。
犬の大きさ
超小型から中型犬の場合は、プラスチック製も布製もどちらも使うことができます。持ち運びもラクでさほど問題は感じないでしょう。
しかし、大型犬や超大型犬の場合は布製だと無理があります。狭いこともそうですが、持ち運びのしにくさも関わってきます。愛犬をキャリーバッグに入れて移動するということは、愛犬がケガや介護が必要になった場合か、外出が理由となります。その状況の中で、飼い主も犬もなるべく負担が少ないことを考えましょう。だから、犬の大きさが選ぶ基準になるのです。
著者は大型犬しか飼ったことがありませんが、プラスチック製ばかりを使っています。子犬の時は布製を試してみたことがありますが、小型犬とは違い、重さがずっしりきます。ですから、安全性の高いもので運ぶことが必要だと考えました。
著者の飼い犬がまだ子犬の時、布製のかわいいキャリーに惹かれて購入し、使ったことがありました。しかし、しっかりした安定性がなかったせいで、犬が自分のゆったりできる場所を見つけることができなかったようです。キャリーの中で動きまわり伏せてもすぐに体位を変えてばかりでした。
このことがあってから、犬の大きさに合った安定の取れるキャリーを選ぶことは必須だと感じたのです。
両方準備するという手も
移動もあるし、でも愛犬とショッピングなどに行きたいと考えているなら、プラスチック製と布製の両方を準備して、使い分けるようにする方法を取ってもいいですね。
ただ、災害が起きたときや避難しなければならないときなどを想定しておくことも大切です。避難場所では、周囲の方のことを考えるとなるべくプラスチック製にした方がいいと思うからです。
著者が震災に遭ったときは、プラスチック製を利用しました(大型犬ですので当たり前ですが…)。そのときに、布製のキャリーで愛犬を連れて来ている飼い主さんがいらっしゃいました。自分の側に置いていたため、避難してきている周囲の方たちから犬を近づけないでほしいと言われていたようです。震災なので仕方のないことだとはわかっていても、アレルギーがあったり小さい子どもがいたりするような場である場合は、まわりのことも考えなければいけません。
さまざまな状況を想定して、大型~超大型犬以外は、両方のキャリーバッグを用意しておくようにした方がいいかもしれません。
自動車に乗せる時は安定性のあるバリケンで!
自動車でお出掛けするのであれば、丈夫で安定性のあるバリケンがおすすめです。「車の中でも放し飼いにしてるよ!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、長距離ともなればやはりバリケンに入れてあげた方が犬も落ち着きますよね。
布製のソフトタイプではどうしても安定性が悪いため、自動車用にバリケンを用意ししておくのがおすすめです。また、普段から家でもバリケンで寝かせることを習慣付けておけば、お出掛け先でも寝かせてあげることもできます。サイズが色々ありますので、よく確認しましょう。
著者宅も愛犬と遠出をするときは、バリケンを使います。大型犬を飼っているため、安定性のあるものが一番だと思っているからです。ドッグランやキャンプなどの野外に連れ出す際は必須です。これがあるだけで車にも乗せやすいですし、愛犬たちもお出かけだと思って喜んで入ってくれます。
底面がプラスチック製なので、そのまま座らせたり伏せさせたりすると痛いかなと思い、新聞紙を敷いてその上に毛布を敷いています。そうすることで、クッション性も出てきますし、万が一体調を崩すなどして中を汚しても掃除がしやすいです。
それに、キャンプの時などはこの中で寝かせることもできますし、人がいるようなところに行く際も入れておけます。大きい犬だと触りたがる人もいますので、双方を守るために役立ってくれます。
ただし、初めて使う場合など、扉の部分を噛んで、歯が引っ掛かってしまう子がいます。著者も2匹が引っ掛かりました。最初のうちは、慣れさせるために、ボーンガムなどを与えるなどして、扉から注意をそらすといいかもしれません。
愛犬を電車に乗せられるキャリーバッグとは?
愛犬との移動は自転車や自動車を使う飼い主さんが多いかもしれません。しかし、電車に乗せることもあるでしょう。そのような場合は、鉄道会社のルールに従う必要があります。ホームページなどに記載がありますので、確認してから利用するようにしましょう。
JR東日本の場合ですと、『長さ70センチメートル以内で、タテ・ヨコ・高さの合計が90センチメートル程度のケースに入れたもの。ケースと動物を合わせた重さが10キログラム以内のもの。』と記載があります。それ以外は乗せることができないようです。
しかも犬などの動物は、『手回り品』という扱いになりますので、当然ですが料金がかかります。該当サイズ1個につき280円です(電車会社によっては無料のところもあるようですよ)。
また、キャリーバッグの種類から見て、布製やスリングタイプのものや、カートタイプのものは乗せられないことになっています。バリケンなどのプラスチック製のキャリーのみとなることを覚えておきましょう。
乗せる際は、電車の係員にキャリーを見せ、サイズなどを測ってもらい、指示に従うようにしなければなりません。例えば、ホームに入る前に排泄を済ませておくなどです。公共の乗り物であるため、ルールをしっかり守るようにしましょう。周りの人に迷惑をかけないようにすることが大切なポイントになります。
超小型犬や小型犬なら布タイプのソフトキャリーバッグがおすすめ
比較的体重の軽い超小型犬や小型犬を飼育しているなら、ソフトタイプのキャリーバッグがおすすめです。手で持ったり肩に掛けたり、最近のものは飼い主が疲れないように設計されているので安心です。
ただし、選ぶなら中敷きのあるものを選ぶようにした方が、持ち運び時にも安定性があっておすすめです。
ソフトキャリーで特に口コミ評判が良いのはこちら↓
キャリーバッグは他にもこんなタイプがある!
ここからはちょっと変わったデザインのキャリーバッグもご紹介しておきますね。
籐でできたタイプ
オシャレ感もありますし、夏場などは涼しげで季節感もばっちりです。ただ、本格的なのでちょっと高いですね。
キャリーカートタイプ
キャリーバッグというと、ガラガラ転がすスーツケースやキャリーカート(ペット用カート:犬用カート)を連想される方も多いのではないでしょうか?キャリーカートなら少々体重の重いわんちゃんでも楽々運んであげることができますね。高齢犬の散歩や遠方地へのお出掛け、他にも用途はたくさんあります。
最近のキャリーカートタイプはコンパクトに折り畳みが可能なものが増え、利便性が高くなり、とても人気が出てきました。犬の飼育に1台は用意しておきたいアイテムです。
場所をとらない折り畳み式のものもある
見た目はケージとバリケンの中間のような見た目で、もちろん持ち運びもOK。イメージとしてはソフトタイプとハードタイプを合わせたような感じです。
不要なときは折りたたんでおき、出掛ける時はバリケン代わりに、お出掛け先ではケージ代わりに使用することのできる優れものです。
スリングタイプ
スリングタイプとは、肩掛けバッグのような形状になっているもので、柔軟な素材でできています。飼い主さんの体にスリング付けて、愛犬を入れるとフィットする感じになります。人間の赤ちゃんを抱っこするときに使われるものと構造が似ています。
抱っこ紐タイプのものやリュックタイプもありますから、超小型犬であればこうしたタイプもおすすめです。
難点は、飼い主さんの肩に負担がかかるということですね。超小型犬や小型犬、子犬向きと考えた方がいいでしょう。ただし、ショップによっては、11kg以上の子や中型犬用のスリングを扱っているところもあります。
素材や形、デザインなどがさまざまありますので、季節などに合わせて選ぶようにすることをおすすめします(夏などは暑いのでメッシュ素材を選ぶなど)。
最高クラスの機能性キャリーバッグ
こちらは価格だけをみるとかなり高額な部類ですが、いざという時の運びやすさを究極まで考えて開発された「最高クラスの機能性」を誇るキャリーバッグです。上記の折り畳み式キャリーバッグと同タイプですが、品質は比べ物になりません。
利便性を考えたらこの上ない機能性を誇るキャリーバッグとなっていますので、お金に余裕のある人は候補として検討してみて下さいね。愛犬の通院時や震災時の防災グッズとしても使えます。
多頭飼いの飼い主さんはキャリーバッグをどう使う?
多頭飼いをしている飼い主さんにとって、キャリーバッグを持ち歩くのは大変なことです。ドッグランなどの公共の場所に連れて行くにも一苦労するでしょう。そんな時に役立つのが大きめキャリーバッグやトートバッグです。
特徴として、清潔を保ちやすく強度もある点や2匹以上入れることのできる収納性がある点があります。1つのバッグに2匹一緒に入れるタイプと、部屋がわかれているタイプがあります。
ただし、トイプードルやチワワといった、超小型犬~小型犬という限定がついてしまうケースが多いかもしれません。中型犬や大型犬の場合は、個々にプラスチック製のキャリーを使うか、キャリーカートを利用するという方法を取ることになる可能性が高いです。
まとめ
いかがでしたか?犬用のキャリーバッグにしても用途や目的に応じて様々なタイプが用意されています。
ちょっとしたお出掛け用のものから、旅行やアウトドア向けのものまで幅広いため、何を選んだらいいのかちょっと迷ってしまいますよね。
選ぶポイントとしては、やはり愛犬がいかに快適に過ごすことができるかという点に尽きるかもしれません。長距離の移動があったり、宿泊目的であったりするなら、バリケンのようなハードタイプのものがいいですし、ちょっとドッグカフェへお出掛けするという程度のものならリュックやバッグなどソフトタイプのものでもいいでしょう。
キャリーバッグの中にいる間は、犬にとって安心できる時間でなければ意味がありません。大きすぎたり小さすぎたりというのも犬にとってはストレスになりますから、体型に合った大きさを選びましょう。
愛犬とのお出掛けにキャリーバッグは必須です。普段使いとしてソフトタイプを、長距離移動用にハードタイプを用意しておくのもいいかもしれませんね。