日本に古くからいる大型犬といえば、「秋田犬(あきたいぬ)」。渋谷駅にいる忠犬ハチ公も秋田犬がモデルと言われています。
秋田犬保存会という公益社団法人があり、展覧会の主催や純血種を守るために活動しています。(著者も大会などにも出場させていました。)
また、愛らしい顔と立ち姿の美しさから海外でも高い評価を受けていますし、大変人気の高い犬種と言えます。そんな秋田犬の特徴などをみていきましょう。
秋田犬の特徴
秋田犬は、大型犬で狩猟犬の『マタギ犬』がルーツとなっています。どっしりと構えるその姿には、どのような特徴があるのでしょう。
体型
秋田犬の1番の特徴は大型、がっしり体型ではないでしょうか。狩猟犬として飼育されていた犬種ですから、高い身体能力を保つための体型だと思います。秋田犬は、力も非常に強いです。
実家は、雪の多く降る地域にありましたので、冬になるとソリを引っ張っていました。子犬も子ども用のソリを軽々引っ張っていました。力はかなり強いです。
オスは、50~60キロ程度まで大きくなります。それに対してメスは、40~50キロと少し小柄です。(でもやはり大きいですよ!)
耳と尾っぽ
秋田犬は、力強いだけでなく思わず「かわいい!」と言ってしまうほどのかわいらしさも持ち合わせています。その象徴が、三角の立ち耳とくるっと巻いた尾っぽです。
子犬の時は、三角の耳が折れ耳になっていたりすることもあります。成犬になるころにはしっかりと立ちます。耳はかなり厚めで、凜々しいです。
尾っぽは、巻きの具合によって価格が変わるほど重要視されている部分です。しっかり巻いている尾っぽを振る時に揺れる感じが何とも言えないほどかわいいですよ。
被毛
秋田犬の毛色は、6種類です。
- 赤(最もスタンダードな色)
- 白(全てが真っ白です)
- 虎(黒虎・赤虎・霜降り虎の3種類あります)
- 胡麻(赤と黒が混ざった色合いです)
- 斑(黒と白が混ざっています)
- 黒(今はほとんど見られない色です)
被毛は、ダブルコートです。密で柔らかなアンダーコート(体温調節用)と、直毛で硬くて太いアウターコート(皮膚の保護)から成り立っています。手触りはとてもなめらかで触り心地がいいです!
秋田犬の性格
秋田犬は、家族を群れと考えているようです。飼い主に対しては強い忠誠心があり、飼い主の言うことはしっかり聞きます。そして、従順ですので全力で尽くそうとします。また、賢いのでしつけをしたら、早い段階で覚えます。
家族を群れと考えているせいか、一緒に暮らし始めた時のメンバーをよく覚えています。
うちで飼っていた秋田犬(メス・白)の場合、飼い主である父が1番、次が母、そして散歩に連れて行く私の弟、エサをあげる私や妹、そして自分が最後の順に考えていたようです。その後、私の弟が生まれたのですが、最後の弟の言うことには従わなかったですし、吠えて自分に寄せつけないようにもしていました。
本来、秋田犬は、ムダに吠えたりはしません。見知らぬ人に対しては家族を守ろうとして警戒し吠えます。番犬として飼う場合でもすごく役に立ってくれるでしょう。
秋田犬の飼い方のコツ
秋田犬の飼い方のコツをここで紹介したいと思います。
目的別で変わる?
秋田犬を飼う人には、2種類の目的があると思います。血統のいい秋田犬を飼い、展覧会で賞を取ることを目的としている場合と、ペット・番犬として飼う場合の2パターンがあります。どちらにしても、飼っていく間に家族の一員のようになっていきますよ。
お手入れ
ブラッシングは、週に1回程度で大丈夫です。でも、換毛期は抜け毛がとても多いので、毎日数回はブラッシングが必要です。ポイントは、声を掛けながら優しくコミュニケーションを取るようにブラシをかけることです。
抜け毛が多い換毛期は、気をつけないと皮膚に当たってしまうことがあります。(経験あり…。)そうなると、犬も痛いです。そんな時は、手を添えながらゆっくりとブラシをかけてあげましょう。
散歩
犬は本当に散歩が大好きですよね!秋田犬の場合は、朝夕の2回1時間程度の散歩が必要です。排泄だけが目的とするわけではなく、運動やスキンシップも兼ねています。また、秋田犬は感受性が強いと言われていますので、風景や風の状態なども楽しみます。そのための1時間です。
気をつけなければならないのは、他の犬にも興味があるとそっちに引っ張られていってしまったり、ケンカになってしまったりということです。
愛犬だけじゃなく飼い主もケガをしてしまうことがありますので、十分に気をつけてください。
秋田犬のしつけ方
しつけは、とても大切です。その中でも「飼い主がリーダーであること」を1番に教えます。散歩に連れて行って、エサを与えるだけではリーダーとは認識しないようです。指示を与えることをもらってきたときからすぐに教えましょう。
しつけや訓練(ボールを取ってこさせたり、伏せなどを教えたりなど)をすれば、飼い主との信頼関係が深まります。「できたらほめ、悪いことをしたら短い言葉で叱る」がポイントです。
主従関係がわかってきたら、「噛み癖」や「吠え癖」は厳重に注意します。子犬のうちから噛んだら叱るなどしつけをしていかないと、犬はやって良いのだと判断してしまいます。かわいいから溺愛して過保護にするのではなく、しっかり教えることを優先させるようにしてください。
秋田犬の価格&入手先
購入先や価格についてお話ししたいと思います。
ペットショップ
こちらではなかなか扱っていないようです。どうしても欲しい場合は予約するしかないでしょう。(店側が引き受けてくれればの話ですが…。)
その際、価格も高くなります。ブリーダーさんから購入した方が安くていい犬が手に入りやすいこともあります。
ブリーダー
純血種を扱っていますし、自ら犬舎を見て、子犬を決めることができますので、気に入った子を譲り受けることができます。
親犬や兄弟たちと長く過ごすことができるため、社会性が身に付きやすいと思います。それに、トイレなどのしつけができていることもあります。
ブリーダーさんこら購入する場合、しつけの仕方や飼育のコツなど初心者でも安心して飼えるように相談に乗ってくれます。(私たち家族もブリーダーさんのお世話になりました)
価格は、2~50万円と開きがあります。(毛並みや色、骨格や表情などによって大きく変動します)
里親・譲渡会
里親制度を利用したり、譲渡会へ参加したり、インターネットなどで探すことができます。その場合は、子犬からということは難しいかもしれません。成犬になった子たちが多いからです。その際に注意して見ておきたいのが、ワクチン接種状況と去勢・避妊状況、健康状態です。
里親や譲渡会では、犬には価格がつきません。基本的に無料です。しかし、ワクチンや去勢・避妊手術代などが請求されることがあります。
まとめ
秋田犬は忠犬ハチ公からも分かるように本当に賢くて従順な犬です。大きいのでちょっとやそっとのことではびくつきませんし、吠えたりもしません。
それに頼りにある家族の一員です。室内で飼うにしても外で飼うにしてもどちらでも順応することができます。そして、性格がいいので、家族を本当に大事にします。長い間、秋田犬を飼っていて、そこは自信を持って言えます。
最初にリーダーが誰なのかを教えれば、リーダーにしっかり従おうとします。そこから初めてみてください。